Steam等で配信されている人気ARPG – Path of Exile – の続編であるPath of Exile2のEarly Accessが、2024年末に開始されました。
Path of Exile 1をやったことが無い人たちも含めて、多くのゲームプレイヤーがこの未完成のゲームを体験しています。YoutubeやTwitchなどでは連日様々な配信者がプレイしているのを見かけるため、自分もプレイすることを検討している人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、特にPath of Exile1(PoE1)をプレイしたことがあるや知っている人を対象に、Path of Exile2(PoE2)における1との違いという部分に注目し、まとめています。実質有料なEarly Accessから参加するか、完全無料となる本リリース後にプレイし始めるかの検討などに役立ててください。
Path of Exile2のEarly Accessと本リリースの日程
違いを見ていく前に、まずリリース日程と価格といった基本的な情報だけ確認しておきましょう。
バージョン | 日程 | 価格 |
---|---|---|
Early Access | 2024年12月6日 | $30 (最低) |
Release | Early Accessから6か月後 (2025年5月~6月頃の予定) | 無料 |
Path of Exileは完全無料で配信されているゲームですが、Path of Exile2のEarly Accessに参加するには有料のSupporter Packの購入が必要で、実質有料という状態になっています。最も安価なSupporter Packは$30となっています。Supporter Packは、PoE2の公式サイトで購入する方法以外に、Steamなどの各プラットフォームで通常のゲーム購入と同じ流れで購入することもでき、その場合はドルではなく円建てで購入することも可能です。為替にもよるのだと思われますが、2025年1月時点のSteamでは4,642円という価格設定になっているようです。
Early Accessの期間は6か月の予定となっていて、大きな問題がなければ2025年の中ごろにはリリースされる予定です。本リリース後はPoE1と同様完全無料となります。
ただ、Early Accessのために購入した$30のSupporter Packは、ゲーム内での課金コンテンツ購入用の通貨として還元され、Stash TabやMicrotransaction(Skin)などの購入に使用することが可能となるため、無駄になることはありません。持っていないStash Tabの購入に充てたり、トレード用のStash Tabを追加するなど、Early Accessに参加したついでに揃えるのも良いでしょう。
ちなみに、PoE1で購入していたCurenncy Tabなどは、新しく購入しなくてもPoE2でも利用可能となっています。ただし、Early AccessではMap Tabなど一部のStash Tabは未実装で使えないものもあり、これらは追って実装されていく予定となっています。
基本的なゲーム仕様の違い
それではPoE1とPoE2の基本的なゲームの仕様の違いについて確認していきましょう。
まずは、ARPGの基本であって、一番最初に確認しておきたいClassとSkillについてまとめてみます。
Classは7種類から12種類へ
PoE1では3種類のAttribute(Str/Dex/Int)と、それぞれのHybridに1 Classずつ用意されていて、全Attributeに対応したSionという特殊なClassがありました。PoE1では、3 + 3 + 1の合計7 Classが存在していました。
PoE2では、3種類のAttributeとHybrid合わせて6種類のClassが、それぞれ2つずつ用意され、計12種類のClassが実装されます。PoE2のEarly Accessでは、以下の表の太字になっているものがプレイ可能となっています。
Attribute | PoE1 | PoE2 |
---|---|---|
Strength | Marauder | Marauder Warrior |
Str / Dex Hybrid | Duelist | Duelist Mercenary |
Dexterity | Ranger | Ranger Huntress |
Dex / Int Hybrid | Shadow | Shadow Monk |
Intelligence | Witch | Witch Sorceress |
Int / Str Hybrid | Templar | Templar Druid |
All Attribute | Sion | – |
またPoE2では、新規の人への配慮なのか、各Classに対応した武器などのスキル種別の標準が設定されているのも特徴的です。もちろん武器やスキルの何を使うかは自由で、Classに何かの制限が設けられたわけではありません。下表の赤字はPoE2からの新武器種となっています。
Class in PoE2 | Focus Skills |
---|---|
Marauder | Axes |
Warrior | Maces and Slams |
Duelist | Swords |
Mercenary | Crossbows |
Ranger | Bows |
Huntress | Spears |
Shadow | Daggers |
Monk | Quarterstaff and Unarmed |
Witch | Occult spells and Summons |
Sorceress | Elemental spells |
Templar | Flails |
Druid | Primal and Transformation |
Early Accessでは、新武器種のCrossbowsとQuaterstaffが実装されていて、それぞれ体験することができます。逆に、従来の武器種であるAxeやSwordなどが実装されていないため、盾持ちの戦士はMace一択という状況でもあります。
Ascendancyは各Classに3種類ずつ (Early Accessでは内2種類が実装)
PoE1と同様、PoE2にもAscendancy Classが用意されており、ゲーム進行に伴って各Classごとに3種類から選択する形になります。Early Access時点では、プレイ可能なClassのAscendancyが2種類だけ実装されていて、残りの一つは本リリース時に実装される予定です。
PoE1でのLabyrinthはTrialも含めて全て撤廃され、新しいTrialが用意されています。最終的には3種類のTrialが実装され、それぞれのTrialの高いランクに挑戦していくことでAscendacy Passiveのポイントが解放されていく仕組みとなっています。苦手なTrialを避けて、得意なTrialに挑戦するという選択ができる仕様になっています。
Early Accessでは、3種類のTrialのうち2種類が実装されています。それぞれPoE1にあったSanctumとUltimatumのコンテンツとほとんど同じ流れになっているため、PoE1経験者は理解しやすいでしょう。ただし、それぞれ新しいMonsterやギミック、Bossなどが含まれているため、やりごたえは十分なはずです。
Skill / Support Gemは店売り無し。Supportはレベル撤廃
Skillについては、PoE1とPoE2で同じものもあれば新規のものもあり、同じ名前でも効果が変わっているものなどもあります。
大きな違いとしては、Skill GemをNPCから購入できなくなり、MonsterからのDropやQuestの報酬で得る形になった点があります。入手したGemは、Uncut GemというSkill未選択状態の形となっており、使用することで何のSkillを取得するかを選択することができます。
Uncut Gemには、通常のもの以外に、Uncut Support GemとUncut Sprit Gem(Reserve Skill用:後述)という種類があります。Uncut Gemにはそれぞれレベルが設定されており、使用しているSkillをUpgradeするか新しいSkillを取得するかを選ぶ形になります。
PoE2では、Support Gemからはレベルの概念が撤廃され、またActiveなSkillも敵を倒しての経験値でレベルを上げるのではなく、新しいUncut Gemを入手してレベルをアップグレードする形式になりました。
Uncut Gemはゲーム開始時は手持ちが少なく、PoE1経験者は店売りがない事に戸惑うこともあるかもしれませんが、最終的にはStashに収まらないくらい入手することが可能なItemとなり、そのうち拾わなくなる程度にはDropしています。(Early Access情報)
Gem Socketが装備品から分離。Link概念は撤廃
PoE1では装備品を更新したくても、特に胴防具や両手武器はSocketを6-Linkにすることが困難だったため、簡単に更新することができませんでした。
PoE2では、Gemを入れるSocketが装備品から分離しているため武器や防具の調整がしやすくなっています。この変更は、Itemのファームやクラフトを一層楽しくしており、多くのプレイヤーに好意的に受け止められているようです。
SocketはGemに対してJewellerを使って開ける
Uncut Gemから新しいSkillを取得すると、そのSkillには標準で2 Socket空いている状態となります。空いているSocketに、任意のSupport Gemを入れることができます。つまり、PoE1での3 Link状態で最初から使えるということになります。このSkillに対してSupportを差し込むという仕様変更によって、効果のないSupport GemはそもそもSocketに入れることができないという挙動を実現する事ができており、とてもシンプルになりました。
最終的にGemにはSocketを5個まで開けることができ、PoE1と同じく6 Link(5 Support)までアップグレードできます。新しいSocketは、Jeweller’s OrbというCurrencyをSkill Gemに対して使用します。Jeweller’s Orbには以下の3種類が存在します。
Currency | 効果 |
---|---|
Lesser Jeweller’s Orb | 2 Sockets → 3 Sockets |
Greater Jeweller’s Orb | 3 Sockets → 4 Sockets |
Perfect Jeweller’s Orb | 4 Sockets → 5 Sockets |
PoE1でのJeweller’s Orbは比較的入手が容易なCurrencyでしたが、PoE2のJeweller’s Orbは(現状のEarly Access時点では)かなりRare Dropの部類となっています。Act3くらいまで進めることでLesser Jeweller’s OrbがDropするようになりますが、Greater以降はEnd Gameまで進めても滅多にDropせず、Perfectに至ってはDivine Orb以上のRare度設定になっているのではないかと思われるほどで、PoE2では今のところ6-Link(5 Support)にするのはかなり難しいバランスとなっています。
ただ、PoE1と違ってSocketさえ開けてしまえば、SocketをLinkさせる必要がないため、6 LinkのSkill Gemへの道はとても単純化されているといえます。もう大量のOrb of Fusingを装備品に連打する作業は必要ありません。
Support Gemは重複不可でRequirement(装備要求)にも変更
PoE2では、同じSupport Gemは一つしか使うことができません。複数のActive Skillに対して同じダメージを強化するSupportを入れるといった運用はできなくなっています。
PoE1ではSupport GemにもそれぞれRequirement(装備要求値)が設定されていましたが、PoE2のSupport Gemは少し違った仕様になっています。Support Gemを使用するためには、対応したAttributeが5必要という仕様で、複数のSupport Gemを使用するためには、使用するGemの数(x5)だけキャラクターのAttributeが必要となります。
全てのActive Skill Gemの構成の中で、StrengthのSupport Gemを4つ使用する場合には、そのCharacterには最低でもStrengthが20(5×4)は必要になるという計算です。一つ一つのSupport Gemごとに要求値を満たすというよりも、全体構成・キャラクターとして満たすという形です。
Gemごとに要求値を覚える必要はなくなってシンプルになり、また効果の高いSupport Gemもキャラクターのレベルに関係なく使用することができるようになったため、2キャラ目以降の新キャラクターの育成などには便利な仕様とも言えます。
Passive Skill Treeに関連した変化
Path of Exileと言えば広大なPassive skill treeが有名ですが、Path of Exile2でも期待を裏切らない膨大なNodeが蜘蛛の巣のように張り巡らされたPassive skill treeは顕在です。
そんなPassive skill treeにおいて、PoE1とPoE2にはどのような違いがあるのか順番に見ていきましょう。
Attributeは選択式に変更
Passive skill treeの中で、最も沢山取得することになっていたsmall nodeは、StrengthやDexterityといったAttributeで、PoE1ではそれぞれ+10ポイント取得するNodeとなっていて、各Attributeに対応したエリアに配置されていました。
PoE2でも、Attributeのsmall nodeはありますが、取得時にどのAttributeとして取得するかを選択することが出来るようになりました。これによってWitchのようなIntelligenceキャラクターであっても、最序盤からStrengthなど別のAttributeをどんどん取得することが容易になりました。
その代わり、一つのNodeで得られるAttributeは+5ポイントとなり、さらにまとめて+30を振ることが出来ていたNodeは廃止されています。
PoE2でも、使用する装備やSkillの要求値に合わせてPassiveでAttributeを確保していくのは変わりませんが、Passive Skillでまとめて取得することが難しいだけでなく、Amulet以外ではImplicitにStrengthが付いたベルトなどもないため、PoE1時代に比べるとAttributeの調整は若干大変な感触を受けるでしょう。後述するCrafting Benchがない問題も、調整の難しさに拍車をかけています。
Masteryが廃止
PoE1では、Passive Skillの一連のClusterをNotableまで取得することで、そのPassiveのMasteryを取得することができる仕様がありましたが、PoE2(Early Access時点)ではこの仕様はなくなっています。
PoE1でも途中で追加された仕様でもあり、今後のPoE2でどのようになっていくのかは分かりませんが、今のところNotableを取得するとそのClusterが光り輝くエフェクトが追加されるものの、特に特別な効果はありません。
Passive Skill Treeの形状変化 (Sionの中央エリアがない)
キャラクターのClassからSionがいなくなったため、Passive treeのStart pointは各Attribute/Hybridに対応した場所だけとなり、中央部分がなくなっています。PoE1では、他のAttributeのエリアにいくために、中央のNode群を通過するといった取得方法が頻繁に行われていましたが、PoE2では今のところ外側を廻って取得していくしかありません。
前述した通りAttributeの取得が大変な事もあって、意外と多くのプレイヤーが大廻りをしてのPassive取得を試みていて、それなりにうまく機能しているようで、自由度の面で何か損なわれているといったことはないようです。
Life / Manaの上昇効果Passiveがほとんどない
PoE1では、キャラクターの耐久力を伸ばすために出来る限りMaximum Lifeを上昇させるNodeを取得することが定番化していましたが、PoE2ではそういったNodeは一部を除いて全て除去されており、基本的にMaximum LifeやManaを伸ばすのは装備品(Gear)のModifierということになっています。
この変更からは、Passive戦略の単調化を防ぎ、装備品のファームを促進しようという目的が感じられ、それは一定程度効果が出ているように見受けられます。Gem Socketが装備品から分離した件と合わせて、PoE1以上にファームや装備更新の重要性と共に、楽しみが大きくなっていると言えるでしょう。
Jewel Socketが経路に配置
PoE1のJewel Socketは、Passive treeの大外や内側など少し特殊な位置に配置されており、目的をもって取得するものでしたが、PoE2のJewel Socketは、Passive treeの普通の分岐点のような経路に配置されています。
そのため、PoE2では意図して避ける場合を除き、ほとんどのキャラクターがいくつかのJewel Socketを取得することになるでしょう。
JewelはPoE1と同様Passive treeにはめ込むことでその効果を発揮するItemで、PoE1と比較するとPoE2(Early Access)では少し希少なアイテムのようです。クエスト報酬などで入手することもなく、純粋にRareなDropといった位置づけになっています。
Early Access時点のPoE2のEnd GameにはDeliriumは実装されていますが、Cluster Jewelは実装されておらず、現状のPassive treeの形状では、外側に大きく新しいTreeを追加するCluster Jewelを実現するのは難しいでしょう。PoE2のDeliriumでは、Cluster Jewelの代わりにPoE1のBlightで入手出来ていたOilのような、AmuletにNotableを付与するためのアイテムが入手可能となっています。
Respec(振り直し)は汎用通貨のGoldで行う
PoE1でPassiveの振り直しを行うにはOrb of Regretを使用するか、クエスト報酬のRespecポイントを使用するしかありませんでした。
PoE2のPassiveの振り直しは、汎用通貨のGoldを使用する形に変更されており、Goldは簡単に入手可能なため、かなり敷居が下がっています。Ascendancy PassiveもGoldでふり直しすることができます。(別のAscendancyの選び直しはEarly Access時点では実装なし)
Respecに必要なGoldはレベルによって高額になっていきますが、(Early Access時点では)End Gameまで進めるとGoldの使用用途がRespecかGambleくらいしかないため、ゲームを進める程に値段はあまり気にならなくなるでしょう。本リリースでGoldの使用用途が追加されると状況が変わる可能性はありますが、今はRespecして色々なキャラクターを試しやすい状況でもあります。
余談ですが、Passive Skillとは別に、End GameのAtlas PassiveもGoldでRespec可能で、これに伴いOrb of Unmarkingも必要なくなっています。Early Access時点では、Orb of Regretと共にゲームから削除されています。
RegretやUnmarkingといったCurrencyの違いは別途まとめていますのでそちらも合わせて参照ください。
新リソース Spirit (Reserve Skill用)
PoE1にあったMana Reserveは廃止され、PoE2では代わりにSpiritという新しいReserve用のリソースが実装されました。Spiritはゲームの進行で上限が解放されて行き、最終的には100まで上限値が上昇します。
Spiritを使用するSkillはUncut Spirit Gemを使用して入手し、他のActive Skillと同様に使用スキルにセットした後、Active化して使用します。ActiveにしたSpirit SkillはSpiritをReserveし、プレイヤーはSpiritの許す限り複数のSpirit SkillをActive化することが可能です。
Spiritの上限は、武器種の一つであるScepterで上昇させることが出来る他、AmuletにはImplicitでSpirit上昇効果を持つものが存在します。また胴防具など一部の装備品にはModifierでSpirit上昇効果が付くこともあります。
PoE1との大きな違いに、召喚生物の使役にもSpiritを使用する点があります。PoE1では、召喚生物はManaを使って呼び出していましたが、PoE2ではSpiritをReserveして召喚し、召喚生物はkillされても数秒後に自動再召喚されます。どの召喚生物を何匹呼び出すかは、Skillの設定画面で指定することが出来るようになっています。
Reserve Skillには、主に防御や戦闘補助系の効果を付与するものが多くなっています。PoE1にあった単純な攻撃を強化するWrathや、強力な防御能力を付与するDeterminationのようなものは削除され、代わりにCast on CritのようなTrigger系がReserve Skillになったり、Archmageのような効果の高いものがReserve Skillになっていたりします。(詳細後述)
戦闘システムの違い
続いてARPGの中核である戦闘システムの違いを見ていきましょう。
WASDでの操作が実装され、移動しながらの攻撃が標準化
PoE1では、キャラクターの移動をマウスの左クリックで行い、攻撃を右クリックやキー操作で発動するといった、20年くらい前からの伝統的ないわゆるDiablo Likeな操作体系でした。
PoE2では、FPSゲームなどの定番操作系となっているWASDキーを使ったキャラクター操作が実装されており、この点だけでも非常に「革新的」と称賛されています。
WASD操作系の実装は、Early Accessが開始される直前まで、従来のARPGファンやPoE1プレイヤーに懐疑的思われていましたが、体験してみると驚くほど快適な操作体系となっており、WASD Hater(嫌い)といっていた人も絶賛するほどの出来栄えとなっています。
WASDで移動しながらSkillを発動することが可能となったため、特にRangedやSpellなどのSkillで戦闘をする場合は、より戦闘に没入できるようになり、高度なアクションを簡単な操作で行うこともできるようになりました。(戦闘はPoE1に比べて格段にアクション性が高まっています)
Skill発動中は若干移動速度が低下してしまいますが、移動し続けられます。この移動ペナルティーは、Support Gemや一部のAscendancyで軽減が可能です。敵の周りを回りながら打ち続けたり、敵の投射物を躱しながら攻撃を続けるといった、断続的な戦闘は非常にテンポがよいと言えるでしょう。
緊急回避のDodge Rollが標準仕様
狩りゲーと言われるジャンルなどではコロリン回避と言われることもある、Characterが前転して敵の攻撃を回避する行動が、PoE2にはDodge Rollとして実装されており、全てのCharacterはSkillなどを必要とせず、(標準では)Spaceを押すだけで簡単に回避行動を行うことが出来ます。
Early Access時点ではPhasing(敵をすり抜け可能となるPoE1のBuff)の実装はなく、囲まれて死ぬ場面も多発しています。Early Access直後にはDodge Rollで敵をほぼすり抜けられなかったため、大量の雑魚に囲まれてHard Core Characterの多くが小さなMobの犠牲になっていました。この仕様には直ぐに調整が入り、現在は小さなMonsterであればDodge Rollですり抜ける事ができるようになっています。
PoE1では、Flame Dashなどの移動スキルを使うことが定番となっていましたが、PoE2では今のところそういったBlinkスキルを使っての安易な移動を制限していく方向のようで、基本技からは撤廃され、重いReserve SkillにDodge RollをTeleportに変化させるものがあるだけとなっています。Active Skillには、PoE1の人気SkillだったShield Chargeがありますが、PoE2では軽快な移動Skillではなくなっています。
ボス戦はSoul Likeと表現されるほど緊張感のあるものへ
PoE2には、Early Access時点で50体を超えるBossが実装されており、どれも非常にユニークで強力な攻撃を繰り出してきます。予備動作には独特な効果音による予告が行われるものがあり、プレイヤーはその音や予備動作を見てしっかり避けなければ致命傷を受けたり、場合によっては一発でやられるといったことが起きるような、非常にアクション性の強り仕上がりとなっています。
人によって好みの分かれるところかもしれませんが、単調な作業となりがちだったPoE1のボス戦よりも、緊張感のあるPoE2のボス戦の方が、やっていて楽しいと感じている人も多いようです。英語圏では、Bossの行動を覚えて対処していくPoE2のアクションを、Soul Likeと評している人もいるようです。
Early Access時点ではArmourが不遇なバランス
PoE1から防御メカニクスを受け継いだPoE2では、アクション性が高まったことで若干のアンバランスが起きています。
強力な攻撃を放つボス相手には、どれだけ打たれ強いキャラクターを作っても結局一撃(One Shot)で殺されるため、現在の防御メカニクスの中ではArmourが最も弱いという問題提起がされています。この問題に対して、開発側も現在調整を試みていているようなので、何らかの対処が行われていくことになると思われます。
Leechはあるが…
LifeやMana, Energy ShieldをLeechして生き延びるのがPoE1時代では常套手段でしたが、PoE2のLeechはEarly Access時点ではかなり効果が限定される形になっていて、PoE1と同じような運用をすることはできなくなっています。
LeechをするPassive Nodeがない
PoE1にはLife, ManaやEnergy ShieldをLeechするPassive Nodeがあり、どんなキャラクターも比較的容易にLeechの恩恵を受けることができていました。多くはPhysical Attack限定ではありましたが、Physical以外のAttackでもLifeやManaを、SpellではEnergy ShieldをLeechするNodeが存在していました。
しかしPoE2(Early Access時点)のPassive skill treeにはLeechのNodeは存在しておらず、Life/Mana Leechをしようとすると、武器やGloveなどの装備品にLeechのModifierを引くか、Support Gemの力を借りるくらいしか手がありません。Energy Shield Leechは、完全に撤廃されています。
Physical Attackにのみ適用
また、PoE2のLife/Mana Leechは、(Early Access時点)Physical Attackにしか効果が適用されない仕様となっています。
現在のEarly Accessでは、Classも武器も一部だけが実装されている状況で、Skillの属性選択肢も多くはありません。全体的にはElementalに比重が大きいような状況ともいえるEarly Accessでは、PhysicalのしかもAttackだけにしか効果が乗らないLeechは、今のところ利用価値が低く、恐らく有効に活用できている人は少ないでしょう。その限定的なLeechですが、正常に機能していないという検証動画も投稿されており、今後の調整などには注意が必要そうです。
前述のArmourが相対的に弱くなっている点に加えて、Leechの機能が限定的になっていることから、Early Access環境ではEnergy Shieldが非常に優秀な状況であると言えます。ただ、本ReleaseでMarauderやDuelistなどが実装されてくると、この辺りは状況が変わる可能性も十分あるでしょう。
Damage Conversionはシンプルに
PoE1ではダメージの属性がConvertされると、元の属性の強化に加えて変換後の強化まで計算されるという仕様があり、Damage Conversionは非常に強力でした。
PoE2のDamage Conversionは非常にシンプルになり、Convert前の強化は全て乗らず、Convert後にIncreaseやmoreの計算が行われるようになりました。
PoE2の属性の変換は、名前の通り属性の変換になり、ダメージ増強の手段ではなくなりました。
その他、ダメージに関するもの以外でも、Convertされる場合は、Baseの数値が変換された後、変換後のIncrease/moreが計算されるように統一されており、非常に分かりやすくなりました。
アイテム・クラフトの違い
ハクスラの醍醐味ともいえる、アイテムクラフトについても違いを見ていきましょう。
PoE1と同じく、PoE2の装備品にはNormal/Magic/Rare/UniqueというRarityが用意されています。プレイヤーは、入手した装備品にCurrency Itemを使用することでModifierを追加し、Normal→Magic→RareへとRarityを向上させていくことが出来るのも同じです。
ただ、PoE1ではCurrency Itemの入手頻度が低く、自分で使うよりもトレードで使用した方が良いバランスともいえる状況でしたが、PoE2ではかなりの量のCurrency Itemを比較的容易に入手することができるようになっており、キャンペーン(ストーリー)を進行している段階からどんどんクラフトを楽しめるようになっています。もちろんPoE1と同様、Currencyを使ってトレードも可能なので、自分のプレイスタイルに合わせて楽しめる仕様になっていると言えるでしょう。
一括鑑定あり、Portal Scroll廃止!!
PoE1では、鑑定するのにScroll of Wisdomが、街やHideoutに帰るのにPortal Scrollが必要でした。
PoE2では、Scroll of Wisdomは顕在ですが、Act1中盤に某ゲームのお爺さんのように一括鑑定をしてくれるNPCが登場します。以降、鑑定は街やHideoutでは一括鑑定、出先で持って帰るものを選ぶ際にScroll of Wisdomを使うことがある、といった程度となります。Scroll of WisdomはNPCが販売していることもあって、基本的には拾わなくて良いItemとなるでしょう。
また、Portal Scrollが廃止され、どこでも何度でも使えるPortalが実装されました。ボタンを押すだけで簡単に街やHideoutに戻ることができ、Portal Scrollの心配をする必要もなく、インベントリを圧迫することもなくなり、非常に快適な仕様となっています。
Crafting Benchなし
PoE2には、PoE1にあったCrafting Benchがありません。これに伴って、各所に配置されていたCrafting Recipeを集める必要もなくなっています。しかしこれによって、PoE1と比較すると、育成中などのResistanceやAttributeの調整は難しくなっています。
装備品の微調整として頻繁に使用されていたCrafting Benchがなくなっていることは、PoE1とPoE2の大きな違いで、アイテムクラフトの基本的な考え方の入れ替えが必要になるでしょう。
PoE1では貴重品だったExalted Orbは、PoE2ではかなり頻繁に手に入る部類のCurrencyとなっています。PoE1でChaos Orbを使ってRerollするくらいの感覚で、PoE2ではRare ItemにExaltを3連打して6 Modにするようなことが可能なレベルで入手することができます。
今後PoE1のように様々なアイテムクラフト要素が追加されていくことになるとは思いますが、Early Access時点では、かなり運要素が試されるクラフトが中心にあるといえます。(PoE1ではクラフトの種類が追加で多く実装された結果、狙った物を作りやすくなっていたとも言えます)
装備品にはRuneを入れるSocketが空く
PoE2の装備品にはGemではなくRuneを入れるためのSocketが空く仕様があります。両手武器や胴防具には2個、それ以外の防具には1個のSocketを開けることができます。
RuneにはResistanceや防具の能力を向上させる効果があり、それらを活用して育成中の防具のResistanceの調整をするといったことが可能となっています。このRuneには、より効果が高いSoul Coreというアイテムもあり、同じように装備品のSocketに差し込んで使用しますが、入手するにはUltimatumの試練(Trial of Chaos)をクリアする必要があります。Trial of ChaosはLabyrinth Trialのようなもので、そこでのみ入手可能な特別なRuneといった位置づけです。
Early Access開始時点ではRuneの入れ替えは不可能でしたが、2025年の1月に適用されたPatch 0.1.1にて上書き更新が実装されました。元々入れていたRuneは失われますが、効果の異なるRuneを適用することが出来ます。Runeはゲーム終盤には拾わない人がいるくらい入手することが出来るもののため、この失われることについて否定的な意見はあまりないようです。
Currency Itemの違い
PoE1とPoE2で、アイテムクラフトに使うCurrencyについて表にして比較してみましょう。PoE1と2の間に重要な変化がある部分を赤字にしています。
Currency Item | PoE1 | PoE2 |
---|---|---|
Orb of Transmutation | NormalをMagicに。 Mod数 : 1 or 2 | NormalをMagicに。 Mod数 : 1 |
Orb of Augmentation | Mod数1のMagicに2個目のMod追加。 | Mod数1のMagicに2個目のModを追加。 |
Orb of Alchemy | NormalをRareに。 Mod数 : 4 to 6 | NormalをRareに。 Mod数 : 4 |
Orb of Chance | NormalをRandom Rarityに。 | NormalをUniqueまたは破壊。 |
Regal Orb | MagicをRareに。 Mod数 +1 | MagicをRareに。 Mod数 +1 |
Exalted Orb | RareにMod追加。 Mod数 +1 (最大6) | RareにMod追加。 Mod数 +1 (最大6) |
Orb of Annulment | RandomなMod削除 | RandomなMod削除 |
Chaos Orb | RareのModを全てReroll | RareのModを一つReroll |
Divine Orb | Modの数値をReroll | Modの数値をReroll |
Vaal Orb | ItemをCorrupted化してランダムな効果。 | ItemをCorrupted化してランダムな効果。 |
並べてみると、PoE1とPoE2の違いと共に、共通している部分も多いことが改めて見て取れます。元々のPoE1でもTransmutationからAugmentation、Regalという一連のクラフトの流れがありましたが、PoE2ではTransmutationのMod数が1固定となったことで、とてもシンプルになった印象を受けます。特にPoE1を経験していないプレイヤーは、混乱することが少なくなったでしょう。
PoE1のEnd GameではAlch and Goと言われるほどに、Orb of Alchemyは頻繁に使われるCurrencyでしたが、PoE2のOrb of Alchemyは効果が変更になり、またかなりDrop率が低いCurrencyとなっています。Orb of Alchemyを使うことで、Trans,Aug,Regal,Exaltの4種類を使った状態(4 Mod)になります。Early Access時点ではExalted以上に入手する頻度の少ないCurrencyとなっています。
最も大きな変更が、Chaos Orbの変更でしょう。Rare Itemの全てのModifierをReroll(振り直し)できていたPoE1と違い、PoE2ではランダムな一つのModだけがRerollされます。そのため、Rare Itemのクラフトの最後の希望のような役割を担っており、ExaltedでハズレModを引いた際に、祈りながらChaosを投入するといった使われ方をするようになりました。
PoE1から削除されたもの
- Chromatic Orb
- Orb of Scouring
- Orb of Alteration
- Orb of Regret
Gem SocketにGem色の制限がなくなっているので、Chromatic Orbは削除されました。Orb of Regretは汎用通貨のGoldに取って代わられました。
重要なのが、Orb of ScouringとAlterationの削除です。ScouringはMagic/Rare ItemをNormalに戻す役割を、AlterationはMagic ItemのModをRerollする役割を担っていたPoE1の重要なCurrencyでした。
PoE2では、Scouring/Alterationがなく、Chaosも効果が変更になったため、基本的にMagic/Rare ItemのMod Rerollは不可能です。一度Magic/Rareにして不要なModが付いてしまった物は、最早ただのゴミと成り果てます。そのため、PoE2(Early Access)では、あえてNormal Itemをファームする人もいるようです。貴重なChaos Orbを使って調整するよりも、NormalにTrans/Augを乱打して、うまくいったらRegal/Exaltを乱打しようという戦略です。
Reforging Bench – 3個の同種アイテムを未鑑定の1個へ
RerollができないPoE2では、同種/同Rarityのアイテムを3つ集めて使うことで、新しいModの同種のアイテムを得ることが出来るReforging Benchという作業台が用意されています。Reforging Benchは、PoE1のVendor Recipeに近い感覚で、3つのMap(PoE2ではWaystone)を使うと、一つ上のTierにすることが出来たりもします。
アイテムのModのRerollのために、狙っているアイテムの失敗作を2~3個Stashに置いておかなければならず、PoE2の倉庫整理はなかなかに大変となっています。人が作った装備をトレードで入手するのではなく、自分で装備をクラフトして楽しみたい人は、倉庫管理に少し工夫が必要になるかもしれません。
Early AccessでのReforging Benchは、利用可能なRecipeが少なくなっていますが、PoE1のVendor Recipeのように、今後のUpdateなどで追加になることがあるのかもしれません。
細かいけど大きな変更
ここまでに、ゲーム全般に関しての大きな違いを紹介してきましたが、ここからはPoE1を結構本気でプレイしてきた人向けに、少し細かいけれどプレイする上では非常に重要な違いについて紹介します。
Weapon Swapに意味が生まれたPoE2
PoE1では裏武器とも言われていたWeaponのSwapは、GemのSkill Level上げくらいにしか使われていませんでしたが、PoE2では様々なゲーム仕様が追加されたことによって、Weapon Swapに価値が生み出されています。
WeaponによってPassive Skillの切り替え (Weapon Set Point)
PoE2では、クエストでPassive Skill Pointを入手すると、Weapon Set Pointも同時に入手します。Early Accessでは24Pointまで獲得することが出来ます。
Weapon Set Pointは、表武器(Weapon1)と裏武器(Weapon2)に同じだけPointを受け取ることができ、Passive Pointを振る際に、どちらの武器を使っている時に有効とするかを指定するために使用します。指定しない場合は、通常通りどちらの武器を使っていてもPassiveが有効となります。
このPointを活用することで、状況に応じて/武器に合わせてPassive Nodeを切り替えることが可能です。SKillもどちらの武器で使用するかを設定することができるため、戦闘中に複数のSkillを使っていれば、自動的に武器/Passiveが切り替わるという仕組みになっています。
例えば、メインは新武器のCrossbowで裏にBowを持つとした場合などでは、それぞれの武器を強化するPassive NodeをWeapon Set Pointを使って振り、それ以外の汎用Passive Nodeを通常の振り方をすることで、同じPassive Pointの中で複数の武器種の強化Nodeを取得したBuildを作ることが可能です。現実的な使用方法としては、(Early Access時点で強力な)雷と氷の属性をWeapon Swapして使い分けたり、集団殲滅用のAoE特化と、Single Target用のDPS特化で武器/Passiveを切り替えるなどがあるでしょう。
PoE2のBuild/Theory Craftingの肝といってもいい要素で、PoE1との大きな違いの一つです。
Skill使用時に自動でWeapon Swapが起きてくれるのと同じように、Persistent Skill(PoE1でのAura)はWeaponの状態に従属してActive状態が変化します。これらを活用すると、雑魚の殲滅とBoss戦で自動でAuraが切り替わり、Passiveも最適化されるといったことが、PoE2では実現が可能なのです。それらを踏まえた上で、最適な構成や、面白い戦い方を考えるのもまた、Path of Exileの面白い部分ではないでしょうか。
Determination, GraceなどのAuraがない
PoE1のAuraはPoE2ではPersistenceと名前を替え、PoE2でのAuraは自分以外を強化する「召喚・パーティープレイ用の範囲効果」となりました。Persistenceには様々な効果のものが有り、それぞれSpiritをReserveして利用するため、PoE1のAuraのようなものを期待してしまいそうですが、PoE2を実際にプレイすると異なった印象を持つことでしょう。
PoE1には、Wrathのような攻撃系やDeterminationのような防御系の、真っすぐキャラクターを強化するAuraが沢山実装されていましたが、それらはPoE2では軒並み(Early Accessでは)実装されていません。おそらく今後もそういった方向性なのだろうと思われます。
代わりに、Ghost DanceやWind DancerのようなPoE1ではKeystoneだったものがPeristanceになっていたり、VitalityのようなものはPersistenceへのSupport Gemになっているなど、色々と新しくなっています。
Early Accessでは、Cast on CritのようなTrigger系がPersistanceに複数存在しており、多くの人がそれらを活用した新しい戦略を試して楽しんでいます。Cast When Damage Taken SupportはPoE2にはありませんが、代わりにダメージで減ったEnergy Shieldの総量によってチャージしてSpellを発動するSprit Skillなどがあり、被ダメを自動化する構成と合わせて、延々画面中に魔法が降り注ぐような派手なBuildも作られていたりもします。
防御関連の仕様変更とEarly Accessでの選択肢の少なさ
PoE1には様々な防御関連の仕様・メカニクスが準備されており、多彩なBuildが考えられていましたが、Early Access時点のPoE2では選択肢が限られており少し物足りなさを感じるかもしれません。
また、防御面の仕様の中でもBlock/EvasionといったPrevention Layer(無効化層)には、PoE1とPoE2に大きな違いがあります。
Block, EvasionはAttack / Spell両方に適用するがAoEは対象外
PoE1では、ShieldやStaff、Dual-wieldingなどでBlock Chanceを得ることが出来ました。Blockには、AttackとSpellの判定があり、それぞれ対応した種類の攻撃だけを無効化する仕様でした。
PoE2のBlockは、Attack/Spell両方に適用されます。その代わり、対象がStrike/Projectileに限られ、AoEはBlockすることができず、また一部Bossの攻撃などはBlock不可となっています。
Evasionは、PoE1ではAttackだけを無効化していましたが、PoE2ではBlock同様Spellも無効化できるようになりました。Strike/Projectileのみで、AoEは無効化できないのも同様です。
incoming Damage | Block (PoE1) | Evasion (PoE1) | Block/Evasion (PoE2) |
---|---|---|---|
Attack (Strike/Prj) | 〇 | 〇 | 〇 |
Spell (Prj) | 〇 | × | 〇 |
AoE | 〇 | 〇 | × |
この変更は雑魚戦闘に大きなストレスを生み出しており、公式Forumなどには批判の声も少なくありません。雑魚の中には、接敵時にAoE攻撃を繰りだしてくるタイプも多く、中には大きなダメージを与えてくるものもいます。そういった雑魚敵が複数出現すると、全ての大ダメージを無効化することなく被弾することになり、プレイヤーは何が起きたのか分からないうちに死んでしまうということが発生しているからです。
一応この問題を回避するための方法として、新しくなったAcrobatics(Keystone)が用意されていますが、Evasionを70% Lessにしてしまうという強力なデメリットを抱えており、位置もDexエリアなので取得できるキャラクターは限られています。Blockは新ClassのWarriorのAscendancyの深いところに、AoEもBlock可能とするものが用意されています。
この問題についてGGG(開発元)は対策していく必要があるとは認識しているようで、Patch 0.1.1(2025/01)にて一部雑魚敵のAoEダメージを低下させたり、攻撃頻度を下げるという処置が行われています。この処置で完了とするのか、今後更なる調整が入るのかは執筆時点では不明です。
Block/Evasionは、PoE1と比較するとSpellが対象となったため非常に強力になったと言えますが、本来作業となってほしい雑魚戦闘で突然の事故が起きやすい状況であるとも言え、特にHardcoreを楽しみたい人にとっては頭の痛い問題でしょう。
Fortify, Dodge, Elusive, Supressionなどはない (in Early Access)
今後本リリースで実装されるかもしれませんが、Early Access時点ではFortifyなど多くの防御メカニクスが実装されていません。そもそもPoE1とPoE2は違うゲームではあるので実装されない可能性も十分にありますが、今のところPoE2はPoE1に比べて選択肢が少ない状況ではあります。
とはいえ、Fortifyの代名詞ともいえるDuelist(Champion)は未実装だし、Elusiveの代名詞Shadow(Assassin)も、Early Access時点では未実装です。DodgeやSpell Supressionは、仕様として複雑すぎるという判断なのかもしれません。PoE2では、多くの仕様をSimplified(簡略化)する方向で調整がされており、その関係で見直されたのかもしれません。
今後より深いTheory Craftingを楽しめるように、多彩な防御メカニクスが実装されることを、多くのプレイヤーが望んでいることでしょう。
Early Accessでは片手武器がMaceしかない
Early Accessでの近接武器はMaceと新武器のQuater Staffしか実装されておらず、盾を持ってAttackで戦うキャラクターを作りたい場合は、選択肢はMace一択となっています。Early Accessで盾戦士をプレイしたいと考えている方は、かなり限定的な遊び方しかできないことを覚悟しておく必要があるでしょう。
本リリースでは、PoE1にもあったSwordやAxeなどに加えて、新武器のSpearなども実装予定です。近接キャラクターの本番は、リリース後にあると言っても良いでしょう。
盾の装備にはStrengthが必須に
Early Access時点では、盾の種類はStr, Str/Dex, Str/Intの3種類となっていて、盾を装備するためには必ずStrengthが必要となっています。PoE2の盾のBlockは、AttackとSpell両方を無効化することが出来るため非常に強力ですが、DexやIntのキャラクターが安易に装備できなくなったバランスとなっています。
リリース時にDexやIntの盾が実装されるのかどうかは分かりませんが、今のところStrengthのないキャラクターはDex防具でEvasionを確保してダメージを無効化するしかありません。ただ、Early Access時点はEnergy Shieldが非常に強力で確保しやすいため、一部の人たちはBlock/Evasionなしで全ての攻撃をEnergy Shieldで受けるという豪気なBuildを作っていたりもするようです。
従来のKeystoneの変更
PoE1でも人気だった一部のKeystoneは、PoE2でも続投となっているものがあります。しかし、その効果や配置位置などには変更が入っています。ここではその一部を紹介します。
Keystone | PoE1 | PoE2 |
---|---|---|
Mind Over Matter | 被ダメージの30%をLifeの代わりにManaで受ける | 被ダメージの全てをLifeの代わりにManaで受ける Mana Recovery Rateを50% Less |
Eldritch Battery | Energy ShieldがLifeではなくManaを守る | 全てのEnergy shieldがManaに変換される |
Eternal Youth | Energy Shield RechargeがLifeに適用される Life回復効果が低下 | Energy Shield RechargeがLifeに適用される Life FlaskがEnergy Shieldを回復させる |
Pain Attunement | Low Life時にSpell Damageを強化 | Low Life時にSpell Critを強化 Full Life時にSpell Critを弱体化 |
Low Lifeは、PoE1では途中で35%から50%に定義が引き上げられていましたが、PoE2では再び35%の定義になっています。Lowの定義はLifeだけでなくManaなども同様です。Passive treeでの位置としては、Eternal YouthはStrengthエリアからDex/Intエリアに移動となっており、Pain AttunementはIntエリアからStr/Intエリア方面の外側に大きく移動しました。Early Accessでは、Chaos InoculationやZealot Oathのようなお馴染みのものも実装されています。
また、Early Access時点で実装が確認されていない、PoE1時代に人気だったKeystoneには以下のようなものがあります。個人的に残念だったものを2つだけ紹介します。
Keystone | 効果 |
---|---|
Wicked Ward | Energy ShieldのRechargeが開始して4秒はRecharge阻害されない |
Agnostic | Energy Shieldを削除し、減った体力をManaを消費して回復 |
本実装ではCharacter Classが追加されることになるので、Passive Skill Treeは大幅な修正が来ることになるでしょう。また、今回はPoE1とPoE2の違いということで修正・削除されたものを取り上げていますが、PoE2で新たに追加されたKeyStoneも、数は多くはありませんがいくつかあります。今後に期待しましょう。
Early AccessとReleaseの違い
とりとめもなく長々とPoE1とPoE2の違いを書き連ねてきましたが、正直細かいことまで書いていくと際限がないため、今回の記事ではこのくらいまでにしておこうと思います。
最後に、PoE2のEarly AccessとReleaseの違いを確認しておきましょう。
Classと武器の実装
最初に述べた通り、Early Accessでは12クラスの内6 Classしか実装されておらず、Ascendancyも2つずつしか実装されていない状況です。
12 / 36 Ascendancy (in Early Access)
Classが半分実装されているので50%と思ってしまいそうですが、実際には3分の1程度のClassしか選択できておらず、Release時には急激に選択肢が広がるということになるでしょう。
また、Sword/Axeのような旧武器だけでなく、FlailやSpearといった新武器が実装されることになるRelease版では、PoE2のWeapon Set Pointの仕組みと合わせて、非常に幅広い戦略が生まれることになるでしょう。
Act4,5,6の実装
Early Accessでは、長期間楽しめるようにEnd Gameを優先して実装が進められており、代わりにキャンペーン(ストーリー)の半分が未実装となっています。
最終的にはAct6までの6章構成となるようですが、Early AccessではAct3までを2回ループするという実装になっています。Release版ではループはなくなり、Act6が終わればEnd Gameに突入するという流れになります。
事前に告知されていた紹介映像やプレイ動画などには、Act4以降の映像も含まれているので、気になる人は見なおしてみるのも良いかもしれません。
今のところEnd Game Contents(Map)については、Release版での変更については明らかになっていませんが、何故かEarly Access版のPatch 0.1.1で追加Mapが実装されたりもしています。もしかしたらEnd Gameの調整はEarly Access版でも行っていくのか、実験的に先行実装のような事があるのかもしれません。Early Access中のAct 4以降の実装については、公式のインタビューの中で、構成的な変更(ループの是非や場所)についての検討などが必要になることもあって、実現が難しいだろうという回答がされていたので、おそらくリリース版でのお楽しみということになるでしょう。
Path of Exile2はプレイすべきか
ARPGジャンルは、人によって好みが分かれるところだと思いますが、Path of Exile 1をプレイしたことがあるような人やDiabloのようなハクスラアクションゲームが好きな人にはオススメの作品です。またPath of Exile 2は、難易度の高いゲームが好きな人や、Dark SoulやMonster Hunterのような敵の行動を覚えて対策していくようなアクションゲームが好きな人にもオススメです。
流行りのゲームだからやってみるというのも良いかもしれませんが、奥が深くやりごたえのあるゲームなので、しっかり腰を据えて取り組むゲームが欲しいという人にもいいでしょう。End Gameにも強力なBossなども登場しますが、すべての要素が解放されて、ファームやクラフトなどを最高に楽しめるEnd Gameは、無限に時間をかけて遊べるゲームとなっています。
本リリースにはAscendancy Classが3倍になるため、Early Accessには参加せず、無料から始めるというのも一つの手ではありますが、個人的にはEarly Accessからプレイすることをオススメしておきます。今のEarly Accessのボリュームでも、6か月間という期間は短いと思う程です。PoE1経験者の人には、「PoE1時代の2リーグ分しか期間がないのに、新キャンペーン・新Gem・新End Contents」と思えば、その短さが想像できるのではないでしょうか。
Path of Exile 2は、WASDといった革新的な試みもあって、間違いなく歴史に残るARPGとなることになるでしょう。このゲームをプレイする体験は、この歴史的瞬間に生きている人の特権でもあります。是非このお祭りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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