奢り奢られ論争で女性が「モテるモテない」を主張する生物的な理由

モテるモテないの理由 雑学

現代は、古い価値観を否定し、新しい価値観が次々と生み出されており、その揺り戻しも含めて思想的な変化が激しい時代です。人々には新しい考え方を受け入れる「価値観のアップデート」が求められ続けています。

今回は、現代の男女に関する話題で、様々なメディアでも取り上げられ、SNSなどでもたびたび話題になる「奢り奢られ論争」について取り上げます。この論争を含めて、女性が「モテるモテない」という主張をするたびに、議論に参加している男性は呆れてしまい、理解に苦しむものです。しかし、生物的な観点で考えると、女性のこの主張の真意が見えてきます。

男女平等と「奢り奢られ」論争

男女平等が推し進められた現代では、従来の価値観にも変化が起こりつつあります。その象徴とも呼べる代表的な論争が「奢り奢られ」でしょう。

奢り奢られ論争とは、男女でデートをした際の会計において、男性が女性分も含めて支払うか、男女平等に割り勘するかという論争です。

男女平等によって「性別による固定的な役割」を否定した結果、以前までにあった「男性が支払う」のではなく「自分の分は自分で支払う」という価値観が広まったことにより、男女で割り勘をするのが当たり前と考える人が多くなっているようです。

一方で、女性の中にはデート代を支払ってくれる(奢ってくれる)男性を「男らしい」とポジティブに評価する価値観が依然としてあるため、度々価値観の対立が起きているようです。中には感謝の気持ちもなく「男性が奢るのが当然」といった認識の人もおり、こういった意見には男女問わず批判的な反応が目立ちます。

だから「モテない」という女性の発言

こういった男女の平等に関する論争において、しばしば反論に困った女性が「だからモテない」といった発言をすることが知られています。男女平等について論じている際に「モテるモテない」は関係ないため、特に男性からは議論にならないと呆れた声が聞かれます。

論戦中に「モテない」発言をする女性

男性としては、論戦中に女性が「モテるモテない」を持ち出すこと自体が理解しにくいところですが、生物としての違いを考慮するとその理由が見えてきます。

モテる = 女性に選ばれる男性

婚活や結婚相談所の話題などでは、よく「高望みする女性」が話題になります。これは、より良い条件の男性との結婚を望むことで、希望の相手が見つからず、いつまでも結婚することができずにいる女性のことで、本当に結婚を望むのであれば「条件の見直しをするべき」というアドバイスがされることが多いようです。

奢る奢られについても、本質的にはこの「高望み」と同じです。奢ることができる「経済的に余裕がある男性」が女性に好まれるということです。逆を言うと、割り勘をする男性は「女性に好まれない = モテない」ということになります。

男女平等を論じる上で男性にとっては「モテるモテない」は些細なことで、小学生くらいの価値観だと感じる人も多いでしょう。しかし、女性にとって「モテるモテない」は非常に重要な価値観なのです。

これには、男性と女性の生物としての役割が異なることが関係しています。

「男性と女性」生物としての役割の違い

生物というのは「生きて繁殖する」ものです。生きるというのは男性も女性も同じですが、繁殖には男性と女性に違いがあります。もちろん生殖機能の違いもありますが、そもそも生物としての根源的な役割が異なっています。

生物の繁殖行動において、男性(オス)はできるだけ多くの子孫を増やそうとし、女性(メス)はできるだけ優秀な遺伝子を選ぼうとします。

その結果、生物全体としては優秀な子孫を多く生み出すことになります。

人間もこの基本的な原理原則は変わりませんが、人間社会に応じた判断基準になり、女性は肉体的な優位性(身長など)や、経済的な優位性(年収など)で男性を判別し、繁殖の対象者を選びます。その生物の根源的な選択行為の対象を「モテる」と表現しているに過ぎないのです。

奢らない男性は「モテない」

デート代を「奢る」行為は、完全に男性からの善意であり、女性も社会活動を出来るようになった現代では「自分の分は自分で」支払うのが基本原則ではあるでしょう。

しかし、女性の視点から見ると、「奢らない」男性は「モテない」となります。つまり、繁殖対象者の選定において、他の個体と比較して経済的な優位性がないという判断がされるということです。もちろん経済面以外で優位性が十分に確保されている場合はこの限りではなく、奢らなくてもモテる男性は存在しえます。

男性は奢るべきなのか

男女平等な社会になっても、男性は女性に奢るべきなのでしょうか。

結論から言うと、男性として優秀であることを誇示したいのであれば「奢る」べきでしょう。奢らない男性より優れているとアピールできます。

男性が、多くの女性と関係を持って子孫をできるだけ多く遺そうとするように、女性は男性を評価するものです。それは、性に基づく本質的な行動のため、変わることはないのです。

奢る行為は「オスの求婚行動」と同じ

ただ、「結婚」や「出産」といったことを考慮しない男女の交際においては、その限りではありません。子孫を遺す目的がないのであれば、男性は女性に優位性をアピールする必要はないのです。

ただ、奢ることで女性に自身が優秀と認めさせること自体は、女性に選ばれる要因になるため、「結婚」までは考えていない場合でも、性行為だけを考えるのであれば一定程度の効果はあると言えるでしょう。男性は「多く繁殖したい」、女性は「優秀な異性を選びたい」という生物的な行動原理に則って、一時的なマッチングが成立するからです。

オスの求婚

「奢る行為」は、女性への経済的な支援や援助の様に受け取られがちですが、生物の観点からすると「男性が女性に選ばれて性行為するため」の行為のひとつと見る事ができます。つまり、生物界におけるオスの求婚行動と似た様なものということです。

極端な話をすると、男性に「奢られる」ということは即ち「繁殖の対象者に選ぶ」ということでもあります。これは性行為を金銭で売っているのと同じであり、「奢られるのが当然」という思考は「娼婦の考え」と言われても仕方がないのです。

「モテない」が男性に効かない理由

男女平等社会になる以前は、女性は「結婚」が生き残るための手段でした。しかし現在では女性も社会に出て働くことができる時代で、結婚は女性において「生存のための手段」ではなくなっています。結婚も子育てもせず、自由な人生を歩むことができるようになったのです。

一方で、男性も男女平等のおかげで、結婚して女性を養う必要もなくなり、「結婚して一人前」という価値観も薄れつつあります。女性と同じように、男性も結婚はひとつの選択肢となり、女性に選ばれるために生きる必要もなくなったのです。

男女の奢り奢られ論争などで、女性が「モテない」という主張をしても、男性に全く響かないのはこのためです。性別を逆転して考えると、男性が女性に「結婚できない」とか「子供産めない」といった発言をしているのと同じで、「そのために生きていない」となるのは男性も同じなのです。

男女平等社会の先に求められる、新しい倫理観

男女平等になったことで、男性も女性も「望まぬ結婚」や「妥協の結婚」をしなくてよい社会になりました。その結果少子化が進んだとしても、それは人権を大切にした結果です。これからの社会では、男女平等を維持したままで、人類の絶滅を回避する新しい倫理観が必要なのかもしれません。

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