brood(ブルード) – blood(ブラッド)と間違いやすい英単語の意味や使われ方

blood-brood 言語

日本では、ブラッドという外来語が定着していて、多くの日本人が「血」を意味することを知っています。

海外の映画やドラマ、ゲームなどでbroodという英単語を見かけると、日本人はブラッドと読んでしまいそうですが、英語にはbloodとbroodという英単語があり、「血」を意味するのはbloodの方です。今回は、broodという英単語の発音や、意味と共に使われ方などを紹介しています。

英単語 bloodとbroodの比較

日本ではR音もL音もラ行のカタカナとして扱うことが多いため、bloodとbroodのようにLとRが異なるだけの英単語は非常に紛らわしく感じてしまいます。

しかし実際には「発音」も「意味」も全く異なる英単語です。

bloodとbroodの「発音」の違い

bloodとbroodの発音は、Google 翻訳の発音記号では以下のようになっています。

blood-brood-発音の違い

発音をカタカナで表すと、それぞれ以下の様になるでしょう。

  • blood : ブラッド
  • brood : ブルード

bloodとbroodの「意味」の違い

英単語bloodやbroodは様々な意味を持っていますが、代表的な単語の意味は以下のようになっています。

英単語代表的な意味
blood血、血液
brood考え込む、孵す
bloodとbroodの意味の違い

bloodの方は、日本語のブラッドとして知られているので特別に説明は必要ないでしょう。

broodの方は、一般的には「(ネガティブに)考える」という意味合いで使われることが多く、考え込むやふさぎ込むといった表現で翻訳されることが多いですが、それとは別に卵などを「孵す」といった繁殖(breed, breeding)に関連した意味も持っているのが特徴的な単語です。

brood(孵す)とbreed(繁殖させる)の語源は同じ

日本では、動物を繁殖させて販売する「ブリーダー」や、繁殖させる行為「ブリーディング」という単語が、外来語(カタカナ語)として定着しています。

「孵す」を意味するbrood : ブルードと、「繁殖させる」を意味するbreed : ブリードはよく似た英単語ですが、これらの語源はどちらもゲルマン祖語の「brod-」に由来しているとされています。

同じ語源を持ちながら、長い歴史の中で意味が分化したとみられています。

そう考えると、broodという英単語もbreedに関連した単語として覚えやすいのではないでしょうか。

broodを使った例文

broodを使った例文としては以下のようなものが考えられます。

例文 : He is brooding about his future.
和訳 : 彼は自分の将来について思い悩んでいる。

「考え込む」という意味合いで使われる場合は、上記例の様にaboutやoverのような前置詞が続き、そこで「悩んでいる事」について述べられることが多いです。(Don’t brood over the past. : 過去にくよくよするな)

例文 : The hen is brooding over her eggs.
和訳 : 雌鶏が卵を抱いて温めている。

「孵す」という動作は、日本語では「卵を抱いて温める」のように訳されることが多いです。

またbroodは、似た様な意味の名詞としても使われることがあり、その場合は「羽化したばかりの雛や動物」を指す他、「人間の子供たち」を指す場合もあります。(with her brood : 子供たちと一緒に)

broodの覚え方

brood(孵す/ブルード)の覚え方としては、上で紹介したbreed(繁殖させる/ブリード)と対にして覚えるのが簡単だとは思います。

また、実際に使われているシーンやキャラクターなどを知っていると、単語を覚えやすく、また思い出しやすくなるものです。ここではbroodが使われている会話やキャラクターなどを少し紹介していますので、是非参考にしてみてください。

broodmareで繁殖牝馬(はんしょくひんば)

brood単体ではなく、メスの馬(牝馬)を表すmare(メア)と合わせてbroodmare(ブルードメア)として使われることがあります。a brood mareや、some broodmareのように、色々な形で使われます。

broodmareが会話で使われているシーン – Game of Thrones

世界中で大人気となったドラマ「Game of Thrones : ゲームオブスローンズ」では、政治的な単語や伝統的な言い回しなど、日本の時代劇のような多彩な表現が飛び交い、言語学習者も勉強になります。また、魅力的なキャラクターが多数登場し、名台詞や名シーンが多いため、公開から10年近く経った今も、多くの人から愛され続けています。

登場人物と実際のシーン

紹介する以下のシーンでは、新王の親が王と王妃ではなく、王妃とその実弟という不貞の噂(実は事実)を払拭させようと、王妃の父が娘に対し、亡くなった王の代わりの新しい嫁ぎ先を命令しているシーンです。

  • Tywin : 王妃の父
  • Cersei : 王妃 (Tywinの長女、新王の実母)
  • Tyrion : 王妃の弟 (Tywinの次男、Cerseiの不貞の相手は長男)
台詞抜粋と解説

長くないシーンではありますが、実際に会話でbroodmareが使われている部分だけ抜粋してみてみましょう。

台詞 :
Tywin : You’re still fertile. You need to marry again and breed.
Cersei : I’m queen regent, not some broodmare.

和訳 :
タイウィン(父) : お前はまだ妊娠できる。結婚して子供を埋め。
サーセイ(娘) : 私は女王摂政で、繁殖牝馬じゃないわ。

この場面でのbroodmareは、種馬の女性版で「子供を産むためだけの存在」という意味合いで使われています。絶大な権力を持った父の「政略結婚の道具」として利用されていることに対して、娘が反発しています。

本来なら酷い話の様に見える上記シーンではありますが、Cersei(サーセイ)は物語全編通して「悪女」として描かれているため、視聴者の多くはこの仕打ちを非難するどころか、逆に喜んで受け入れているようです。(いわゆる因果応報, Karma)

Broodmother Lysrix – Ark(ゲーム)では女王蜘蛛

Ark Survival Evolved または Ark Survival Ascendantは、Steamなどで配信されている人気のサバイバルゲームです。実在した恐竜達が生きる世界の中で、プレイヤーはテクノロジーや生物を活用することで生き延びていきます。

このゲームには、 Broodmother : ブルードマザーというゲーム内でのボス的な位置づけとなる架空の生物が登場します。その容姿から、Spider Queenとも呼ばれます。

Broodmother - Ark

Broodmotherは、「孵す母」であり、名前の通り大量の子蜘蛛を生み出して攻撃してくるキャラクターとなっています。

カタカナ読みは間違いの元

日本語のカタカナは外国の言葉を取り込むことが容易で優れた文字システムではありますが、外国語の学習をする際にはその利便性が仇となることもあります。

bloodやbroodのような英単語も、元の英単語の発音で覚えておけば間違えることはありませんが、カタカナ読みして覚えようとすると間違えてしまう危険性が高まります。英語~カタカナとして覚えるのではなく、英語をそのまま覚えるイメージでやれば、覚える量も減って効率的だと思うので、是非試してみてください。

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