日本では「うま味調味料」としては、味の素株式会社が提供している「味の素」が非常に有名です。多くの料理や食品に含まれていて、一部料理研究家の人たちの中にはこの調味料が欠かせないという人もいるようです。
今回は「味の素(うま味調味料)」の事を英語では何と表現するのかという言語の話と共に、うま味調味料(グルタミン酸ナトリウム)の「ナトリウムが英語ではSodium」という単語であることの由来についても紹介しています。カタカナの言葉は英語由来と考えがちですが、意外と英語以外の外来語も多いです。
味の素(うま味調味料)は英語で「MSG」
「味の素」という商品名や「うま味調味料」という名称は、いかにも日本風な名前で、英語では何と表現していいものか悩ましい問題かもしれません。英語での表現を知らない場合、「味の素」や「アジシオ」が食卓に並んでいても、海外の人に説明するのに「塩みたいなもの」のような曖昧な表現をしてしまいそうです。
英語で「うま味調味料」に該当する言葉は「MSG : エムエスジー」です。
MSGは、うま味調味料に含まれる「うま味成分」であるグルタミン酸ナトリウムの英語「MonoSodium Glutamate」の頭文字を取ったものです。
実際にMSGが会話の中で使われているYouTubeの動画を紹介します。以下は海外の配信者(Koseki Bijou / hololive EN)の方が日本で塩を購入しようとして「かわいいパンダの入れ物の塩」を購入したものの「しょっぱくなかった」という話を配信でしたところ、視聴者から「それはMSGだよ」と指摘された際の反応を切り抜きされたものです。
全編英語で話されていますが、切り抜きチャンネル様によって親切に英語の字幕が付けられています。「これMSGなの!?」というリアクションで、本当にそのように表現することがイメージとして理解しやすいかと思います。
確かに日本の販売店では、味の素は塩などの調味料コーナーに置いてあることが多いため、海外の人からは「塩」だと思われて購入されてしまうことがありそうです。パッケージの可愛さが販売動機になることがあるのも興味深いところです。
「MSGはアメリカでは禁止されている」というデマを耳にすることがありますが、実際にはアメリカでも安全と認められています。ただし、MSG(味の素 / うま味調味料)に対する偏見は日本と同じようにあるようで、販売されている調味料などにNO MSGといった表記があるものも存在しているようです。
味の素は「うま味調味料」
味の素は、L-グルタミン酸ナトリウムを主成分にした「うま味調味料」に分類されていて、日本のスーパーなど様々な所で見かけることができるほどに、愛好している人が多い調味料の一つです。

日本の食の伝統で欠かせないのが「出汁(だし)」で、色々な料理を作る際に、昆布やイリコなど様々なものをスープなどと一緒に煮込むという手間をかけることで、味に深みが増すといった、何とも日本らしい「食べる人を喜ばせる事を重視した」素晴らしい風習があります。
この味の素は、昆布などに含まれる「アミノ酸(グルタミン酸)」を基にしたうま味調味料で、手間暇かけずに味に深みを持たせることができるという優れものです。
味の素(うま味調味料)は体に悪い?
正直に言うと、昭和に生まれた私の家庭では「味の素」は良くないとされていました。今は多くの食品に含まれていたり、料理屋さんで使われていたりもしていて摂取する機会も増えているのですが、未だに「味の素は体に悪い」という話は耳にすることがあります。
結論から書くと、味の素(うま味調味料)は体の健康を害するものではありません。
うま味調味料は、日本だけでなく国連や海外の国々などでも「安全である」と認められています。ただし「通常の利用」であることが大前提で、大量に摂取するなど異常な利用方法をした場合はその限りではありません。これは醤油や塩など他の調味料でも同様です。料理の味付けなど、想定された通常の利用方法で適切に利用していきましょう。
アジシオ – うま味調味料と塩を合わせた調味料
料理をほとんどすることがない私には「味の素」はあまり出番がありませんが、同社が提供している「アジシオ」は本当に大好きで、ゆで卵などを食べるときなどに活躍しています。もはや「アジシオ」を味わうためだけにゆで卵を作っている気がするほどです。

アジシオは、その名の通り「塩」なのですが、昆布のうま味が加味されたもので、普通の塩よりも一層「おいしく」感じます。また、塩自体の分量/密度は純粋な塩に比べると低いため、減塩にもなるそうです。
また、あまり話に聞くことは少ないですが、個人的には「固まりにくい」のが実は結構ポイントが高かったりします。似た様な形状で販売されている塩を購入すると、中身が固まって振ってもなかなか中身が出てこなくてイライラするということがあったりしますが、このアジシオは固まりにくく、いつでも簡単にパラパラと出てきてくれます。
「ナトリウム」の語源はドイツ語
うま味調味料のグルタミン酸ナトリウムがMSGと呼ばれていることを紹介してきました。MSGはMonoSodium Glutamateの頭文字で、グルタミン酸を表す英単語はGlutamateです。このことから、英語でナトリウムにあたる部分はMonoSodiumということになります。
ナトリウムは元素記号ではNaで、英語でもナトリウムだと思ってしまいそうですが、英語でナトリウムの事はSodiumと呼びます。周期表にもナトリウム(Sodium) : Naと表記されていることもあるようです。

ナトリウム = Sodiumで、MonoSodiumは単一のナトリウムという意味となります。日本人にはSodiumという単語にはあまり馴染みがないかもしれません。
元素記号のNa(ナトリウム)は、ドイツ語の「Natrium」に由来しているとされています。
ラテン語ではsodanumと表現し、英語のsodiumに繋がっているように見えます。
元素記号の語源にはラテン語も多い
ナトリウムはドイツ語由来でしたが、元素記号の中には英語の他にラテン語に由来する名前のものも多くあります。
銀の元素記号であるAgが英語のSilver由来でないことを調べていった結果、アルゼンチン(国)やアルゲンタビス(生物)といった言葉までもが「ラテン語の銀を意味する言葉に由来」することが分かった件について、以下の記事にまとめていますので、興味のある方は是非見てみてください。
気になったことを調べてみよう
生物は食べなければ生きていけません。人間だけでなく、どのような生物も食事をしますが、できれば「おいしい」ものを食べたいものです。
今回紹介した「うま味調味料」は人間が考え出した「料理をおいしく食べる」工夫であり、技術です。簡単で安全においしい料理を食べることができるこの調味料はとても画期的で、開発した技術者の人たちには感謝したいほどです。
一方で、よく分からないものを口にしたくないとか、安全だと認定されても不安がある人などは、摂取することを避けるのも自由だと思います。ただ、「使うべきだ」とか「使わないべきだ」といった相手へ自分の主張を押し付けるのは避けたいところです。やっぱり有り・無しで味の違いを比較してみないと、うま味調味料の威力というのは実感できないのかもしれません。「味の素」の有り・無しを比較する機会というのはあまりないものです。
今回は、「身近なところにある不思議」という点からナトリウム(日本語・ドイツ語) = Sodium(英語)、そして「うま味調味料は英語ではMSG」と呼ばれているということをまとめてみました。気になったことを調べてみると、意外なところで知識が繋がったりして楽しかったり、見識が広がって人生が豊かになると思いますので、是非試してみてください。