ゲームや映画、アニメのようなコンテンツを楽しんでいると、作品の中に「ブライト」と呼ばれるキャラクターやアイテム・スキルなどが登場することがあります。日本人からすると「ブライト」というと、電灯のような明かりや明るさを表す意味と思いがちですが、ゲームなどに出てくるブライトは違う意味の英単語を基にしている場合が多いです。
カタカナ語のブライトは、英単語のBrightとBlightのパターンがあり、それぞれ意味が違うため、使われている状況などで元の意味を判断しなければなりません。特にBlightの方はあまり良くない意味の単語のため、使う場合は気を付ける必要があるでしょう。逆に、使われるシーンは大きく異なっているため、英訳する場合にどちらか迷うことは少ないかもしれませんが、いずれにしても「両方の意味を知っている」ことは大事でしょう。
今回はカタカナ語になっている「ブライト」の基の英単語「BrightとBlight」の違いについて紹介していますので、是非確認してみてください。
ブライト – [Bright]と[Blight] – 意味の違い
まず最初に、ブライト(BrightとBlight)の意味の違いを見ていきましょう。
Bright | Blight |
---|---|
明るい | (植物などを)枯らす |
賢い | (希望を)くじく |
私たち日本人に馴染みのある「ブライト」はR(アール)の方のBrightで、明るいという意味で使われる単語です。明るいという意味のブライトだけでなく、ブライトネス(明るさ)といった単語も、電灯などの電化製品やパソコンなどの明るさ設定などの画面で目にすることもあるのではないでしょうか。
一方でL(エル)の方のBlightは、日常生活の中で目にしたり、会話の中で耳にすることは少ない英単語でしょう。こちらは良くない意味の単語で、元々の意味合いとしては植物を枯らすといった意味ですが、もう少し広い意味で悪くする、破滅させるといったニュアンスでも使われます。
スラング的な意味の違い
BrightとBlightは、現代では元の意味から発展し、それぞれスラング的な使われ方がありますので、あわせて紹介しておきます。
Bright | Blighter |
---|---|
賢い人・未来が明るい(将来有望な)人 | 迷惑な人・ダメにする人 |
明るい方のBrightは、元の意味から飛躍して、日本語でいうところの「明朗快活」とでもいうのでしょうか、「頭の閃きがよい」というニュアンスで「賢い」という意味で使われることがあります。また、未来が明るいという意味から、将来が明るい・有望な人という意味でも使われます。
一方Blightの方は、-erが付いて人を表すことで、元の意味の枯らす・悪くするといった意味から、迷惑な人といったニュアンスに変化して使われます。カタカナで表すとブライターということになるのでしょうか。この表現は、人を悪く言う「軽蔑的」なニュアンスが含まれるため、会話などで使う場合には注意が必要です。
生活に身近な – Bright
明るいの意味を持ったブライト(Bright)の方は、日本での日常生活の中ではカタカナ表記で度々見かけることがあるでしょう。パソコンを持っている人は、ディスプレイの明るさ設定などで、以下のような画面を見たことがあるのではないでしょうか。
日本語ではブライトという商品にも有名なものがあります。真っ先に思い浮かぶのは洗濯用洗剤のブライトではないでしょうか。
テレビを見ていた幼いころには、テレビのCMなどでも洗剤のブライトといった商品名を度々耳にした記憶があります。ライオンの上記製品に興味のある方は、オフィシャルサイトのリンクを置いておきますので是非見てみてください。(ライオン公式 – ブライトSTRONG) 洗濯ものが明るく美しくなるという意味合いから「ブライト」という商品名にしたことが伺えます。
また、ネスレのコーヒーに関連した商品にも、ブライト(Brite)という商品があります。
このBriteは、今回紹介したBright/Blightどちらとも綴りが異なります。このBriteの綴りは少し特殊で、英語での意味としてはBright(明るい)の方になります。19世紀後半から英語の音声に合わせて表記を変更していこうという動きの中で、同じ音で違う綴りの単語が作られ、以降広告などで使われることがあります。
また、ドイツ語ではイギリス人(ブリタニア人)の事をBrite(ブライト)と表記・発音します。ネスレの社名はドイツ語で「巣」を意味することから、上記商品のブライトはこちらの意味なのかもしれません。
ゲームや映画で耳にする – Blight
植物を枯らしたり、将来や未来・希望をくじき、破滅させる方のブライト(Blight)の方は、日常生活の中で目にすることはあまりないかもしれませんが、ゲームなどのエンタメ製品の中ではむしろ頻繁に使われています。悪いものを意味するニュアンスのある単語なので、悪役や悪い効果のアイテムなどの名称として使いやすいのかもしれません。
ブライト(Blight)が登場する作品
ブライト(Blight)の登場する作品は多くありますが、その中からいくつか紹介してみます。
Dead By Daylight – The Blight
最初はDead By Daylightというゲームの「The Blight」というキャラクターです。
『Dead by Daylight』は、カナダのゲーム会社Behaviour Interactiveが開発し、Starbreeze Studiosより発売されている非対称型対戦サバイバルホラーゲームです。プレイヤーは殺人鬼か生存者のどちらかを選択してプレイし、殺人鬼から逃げながら脱出する対戦ゲームとなっていて、日本でいう「鬼ごっこ」と「かくれんぼ」をホラーテイストで表現したようなゲームとなっています。
「The Blight(和名:ブライト)」は、Dead By Daylight(DBD)に登場する殺人鬼の一人で、Descend Beyond【彼方への降下】というDLCで追加購入することができるようになっています。
同ゲームはホラーテイストの作品で日本では年齢制限があるようなゲームであるにもかかわらず、男性女性問わず多くのストリーマー・実況者の方がプレイを配信しています。観戦しているだけでも楽しい作品のため、プレイはしないけど観るという、いわゆる観る専の人も多くいるようです。
Path of Exile – Blight League
DiabloライクなアクションRPGとして有名なPath of ExileにもBlightが使われています。
Path of Exile(PoE)のBlightは、期間限定のリーグ要素(3か月間のチャレンジ)として登場した後、その後コアゲームのメカニクスに統合されたため、現在のゲームにもコンテンツとして残っています。
Path of ExileのBlightは、マップ内でのランダムエンカウンターとして登場し、マップ内に現れたFungal Growthsに触れると周囲にモンスターが出てくるゲートのようなものが生成されます。出てくる敵からFungal Growthsを守り切れば成功となり、報酬を得られるというもので、このエンカウンターで入手したオイルというアイテムを組み合わせて塗る(Anoint)することで、装備品(アミュレット)に特殊な効果を付与できます。
Path of Exileは継続アップデートによる根強いファンが多いゲームですが、2024年11月にPath of Exile2が公開されることが決まっていて、世界的に注目されているタイトルでもあります。
カタカナの罠
ブライトは元の単語のRとLが違うだけで、「賢い人」と「迷惑な人」といった良い意味/悪い意味の言葉になってしまいます。カタカナでブライトと表記する場合には、後者に受け取られないように注意しなければなりません。
また、ゲームなどをプレイする人は、ゲーム内で登場するブライトがBrightなのかBlightなのかを気を付けてみるようにしましょう。カタカナでブライトと表記されている場合は、元の単語を調べるか雰囲気から想像するしかありませんが、よほど明るいイメージのものでない限り、おそらくBrightではなくBlight(枯らす・破滅させる)といった意味でしょう。
日本語のカタカナは便利ではありますが、外来語を表記する際には違う単語が同じ表記になってしまうことがよくあるので、間違った意味で使わないように気を付けましょう。
以下の記事では今回の件と似た様な「カタカナの罠」について紹介していますので、興味のある方は是非見てみてください。
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