日本は世界的にもアトピー性皮膚炎患者の多い国で、乳幼児から思春期くらいの年齢だと10%程度、成人してからも5%くらいの人が患っているそうです。私は幼少のころからアトピー性皮膚炎や食物アレルギーに悩まされていた日本人で、小学校の給食が食べれず弁当を持参していた時期がある程です。肌がボロボロで夏服の時期が恥ずかしくて嫌だった苦い記憶もあります。
今回は、大人になってアトピー性皮膚炎が重症化した私が、そこから2年程の治療でこうやって記事を書いたり、健常な人のように近所のスーパーに買い物に行ける程回復した過程をまとめています。
アトピー性皮膚炎は、現在の医療技術では症状を抑える事しかできず、完全に治療することはできない病気でもあり、同じように苦しんでいる人も多いのではないかと思っています。そういった人たちに私の経験が何らか役に立つところがあればと思いながら書き記してみます。
急激に悪化したアトピー性皮膚炎
子供のころからアトピー性皮膚炎を患っていた私は、時々湿疹が出たりすることがあり、眠っている間に引っ掻いてしまい、目が覚めると肘裏や膝裏などが血だらけになっているということがありました。しかし、高校生から大学生になるころにはそういった症状は徐々になくなっていき、成人する頃にはアトピー性皮膚炎の治療とは完全に無縁となっていました。
しかし、40代に差し掛かるころ、仕事の激務に追われて睡眠や食事を満足に取れないような日々をしていたことが悪影響を及ぼしたのか、急激に皮膚の状態が悪化し始めました。
最初は、皮膚が乾燥し始め、風が吹くと自分から白い粉が舞い上がるくらいでしたが、徐々に痒みが悪化していき、それに伴って睡眠することが困難になっていきました。会社には遅刻・無断欠勤もするようになり、会社と相談の上休職~退職と、人生はあっという間に転落していきました。
退職後は更に病状悪化して、最終的には体温調節が出来なくなったことで皮膚が溶けて大量に出血して動けなくなるという惨事に見舞われましたが、九死に一生を得て命を繋いでいます。今回は治療の事について紹介したいので、病気の進行について詳しく知りたい方は、以下の記事にもまとめていますのでそちらをご覧ください。
悪化を続けていた間も通院や治療は続けていました。通っていた病院には、子供の頃にもお世話になっていて、何度も症状を改善してもらったことがある病院で、大人になってからも継続して診てもらっていました。その病院は、いわゆる「ステロイド」をあまり処方しないことで有名で、子供から高齢者まで幅広い患者で埋め尽くされていて、1時間以上の待ち時間が必要なことも多い病院でした。ワセリンでの保湿などの他、漢方での体質改善などにもチャレンジしましたが、結果的には症状の悪化を止められなかったということになります。思い返すと病気に対する真剣さも今よりは低かったとは思います。
最初の1か月くらいは強い飲み薬
全身ボロボロでようやく歩ける程度に回復してから、とにかく病院に行こうと考えました。しかし、それまで通っていた病院が遠方だったこともあって、悪化した場合でも駆け込めるくらい近い病院を探すことにして、近所の病院の中から評判の良い場所をGoogle Mapで調べて初診で飛び込むことにしました。結果としてその判断が功を奏したことになり、新しい先生に新しい治療法や薬を出してもらったことで、驚くほどに症状が改善していきました。
全身が患部で、辛うじて人の形を保っている状態ともいえる患者だった私に、最初に処方された薬は錠剤の「プレドニン」でした。
プレドニン 5mg
プレドニンは結構強力な薬らしく、一緒に胃を守るための薬として「レバミピド」の錠剤を処方されました。
レバミピド 100mg
プレドニンの処方について、薬剤師の人からも「副作用」が半年から一年くらいはある強力な薬と説明があったのを覚えています。病院の先生も、毎回症状をみながら「とにかく早く処方するのを止めたい」と言われていて、飲み続けると良くない薬なのだろうと思います。最初は1日3食食後だったのを、症状に合わせて徐々に回数を減らしていき、最終的には1~2か月で卒業しました。
ネットで調べてみると、骨粗鬆症や糖尿病、肺炎などを引き起こしたり、リウマチの進行を止められなくなるなど、薬の副作用についての怖い情報が沢山出てきます。
要は、免疫機能の過剰反応が起きて、汗すらもかけない状態になっている体を、無理やり免疫機能を抑え込むことで「正常な状態に一旦戻す」ことを目的とした薬のようで、使い続けると「生きるために必要な免疫すらも抑制してしまう」という事なのでしょう。
1か月くらいで「汗」が帰ってきた
私の場合、悪化したのが7月末で、動けるようになったのが8月中旬という夏真っ盛りの時期でした。動けるようになって直ぐに病院に通い始め、最初は一日3錠だったのが、9月の下旬には1錠の処方となっていて、確か10月中にはプレドニンを卒業したと思います。その間は1~2か月といったところでしょう。
飲み始めてしばらくすると、夏の暑さの影響で、肌着に大きなシミが出来る程にべっとりと汗をかき始めました。今でもその感動を忘れません。
汗をかけないせいで体温調節ができず死にかけて、汗をかけないせいで皮膚が乾燥して痒くなり、痒みのストレスで全身が一層痒くなるという悪循環でした。汗が帰ってくるということは、生き延びられる可能性が生じたことと同義で、あまりに眩しすぎる希望に思わず一人で涙ぐむほどでした。
普通の人は「汗をかくことは気持ち悪い」と思うであろうと考えると、汗をかいて喜ぶのは異常なように思うかもしれませんが、それくらい深刻な事だったのです。病院で先生に「汗が帰ってきた」旨を伝えると、周りにいた看護師も含めて大きな祝福をしてくれたことをよく覚えています。
他の薬や治療も並行して行っていましたが、短期間で効果を実感できたのは、このプレドニンのおかげのようにも思います。
お金がなくて諦めた治療
実はプレドニンを処方される前に、最初に病院の先生に推薦されたのは違う治療法でした。
当時最先端の治療法として「デュピクセント」と言われる注射があり、全身に重度のアトピーを抱えた状態の私にはオススメの治療法だとお話を頂きました。しかしこの治療法には大きな問題がありました。それが「価格」です。
デュピクセントは当時注射1本6万円程する高額な治療法で、それを10本とか30本とかそういったまとまった本数で処置するという話でした。まとまった本数を処置することで、高額療養費制度が使えるようになるなどの説明も受けました。
しかし、当時の私は仕事を退職して病気と闘いながら細々と在宅業務をしているような状態で、食べていくことも困難な経済状況でした。病院に行くことで「1週間断食かなぁ」とか考えるほどに困窮していました。一度死を覚悟した私には恐れるものがなくなっており、先生には包み隠さず当時の経済状況や、就労状況をお話し、その中で可能な治療法を再考していただく形になった結果、上述のプレドニンに落ち着いた訳です。
当時の私は上記のような負のループに陥っており、病気が悪化して働けなくなり、お金が稼げないことで治療が出来なくなっていき、更に病気は悪化していっていました。病院の先生からは「生活保護」の相談をしてはどうかとお話を頂き、相談した結果、こだわっていた持ち家などの資産も処分して「生きる」ことだけを考えるようになりました。結果として生活保護は受けず、自分の資産=寿命のような闘病生活をしていますが、相談したことで色々な拘りが「吹っ切れた」ように思います。
結局デュピクセントは試す機会がなかったので、私は効果など詳しいことは分かりませんので、興味のある方は病院の先生や他の人のお話を聞いてみてください。
2年間継続している飲み薬
汗をかけるようになったことで格段に全身の皮膚の状態は良くなりましたが、汗をかきにくい部位だったり、何かと擦れる部位は相変わらず直ぐに炎症を起こしたり乾燥するような弱い皮膚ではあります。大きな揺れが小さな揺れに収まっているという感覚に近いです。
小さな揺れに抑え続けるために、どうしても継続した治療が必要となります。面倒でさぼったりするとすぐに皮膚が固くなって、顔の皮膚などは1日開けるだけで悪化を実感するレベルです。
私はどちらかというと面倒くさがりな方ですが、今のところ死の恐怖からか2年間ほど継続して通院と治療を続けられています。飲み薬として処方されているのは以下の2種類です。どちらもアレルギー症状を軽減するもののようです。
フェキソフェナジン塩酸塩60mg「トーワ」:1日2回 朝・夕食後
ルパフィン錠10mg:1日1回就寝前
元々1日2食生活をしていた自分は、先に紹介したプレドニンを服用していた時は1日3食生活に改め、プレドニンが終わってからは、フェキソフェナジンに合わせて1日2食生活に戻しています。朝を抜いて昼夜の2食から、薬に合わせて遅めの朝食と夕食の2回という形になっています。患部が頭の先から足の指先まで全身なので、全身に効果のある飲み薬は本当に助かります。塗り薬は、塗り忘れたり風邪を引いて塗れない日があったりしますが、食後の薬は忘れにくく、飲むだけで一定の効果が期待できます。私は2年間の間、ほとんど飲み忘れはないのではないかと思います。
一方で、就寝前のルパフィン錠は、結構飲み忘れしてしまいます。睡眠障害を抱えた生活期間が長くなると、基本的には「眠気が来たら逃さず寝る」のを優先してしまうため、就寝前の服用が難しいというのが理由です。眠気がないときに布団に入ると、痒みが出てきて寝るどころではなくなり、そういった場合は諦めて起きて改めて眠気が来るのを待つ他ありません。幸いルパフィン服用後は眠気が来るので、眠れない時に飲むと睡眠導入にも使えたりします。痒みが強いときはルパフィンを飲んでも寝れないということはあります。
部位によって使い分ける塗り薬
飲み薬は服用していますが、それだけだとアトピー性皮膚炎を抑え込むには足りないようで、特に最初のうちは塗り薬を入念に塗っていました。症状がかなり軽くなった今は、少し適当になってしまっている部分もありますが、基本的には継続しています。
特に目や顔といった部分は悪化しやすく、悪化すると日常生活にダイレクトに悪影響があるので、2年経った今も欠かすことが出来ません。
目
目の周りは強い薬を塗ることが出来ないため、優しい薬を処方してもらっています。
コレクチム軟膏
コレクチム軟膏にはステロイドが含まれておらず、症状が改善した部位などに用いられることが多いようです。効果としては皮膚の過剰な免疫反応を抑えるというもので、他の塗り薬や飲み薬などと同じような、アトピー性皮膚炎の炎症を抑える薬の一つです。
私の場合、目の周囲に塗る用途として2年程処方され続けていて、塗らないと1日~2日で目の周りの皮膚が乾燥・硬質化し始めてしまいますが、塗るとあっという間に改善します。特に副作用のようなものも感じることもなく、目の周りの痒みも治まります。1日2回朝と夜に塗ることになっていますが、1年経過したころから朝は欠かさず塗って、夜は痒いときだけのような運用になってしまっていますが、今のところ安定して症状を抑えられています。
顔
顔には体とは別の薬が処方されています。目の周囲と同じく朝と夜の2回塗る薬とされていますが、朝は欠かさず塗りますが、最近は夜は症状をみながら塗らないこともあります。
ロコイド軟膏
ロコイド軟膏はステロイドの含まれた外用薬です。上記コレクチムよりは強い薬で、皮膚の炎症や痒みを抑える効果があるようです。
個人的には「一番大事な薬」だと思っています。顔というのは日常生活を送る上でとても重要な部位で、顔の上半分が溶けた経験のある私としては、絶対に悪化をさせたくない部位でもあるからです。乾燥して皮膚が剥がれるだけでも外出するのを躊躇しますが、皮膚が広範囲に渡って溶けて出血しているような症状は、通報されるレベルです。(実際症状が良好な時だったにも関わらず「顔が赤い」ことで職務質問されたこともあります)
極端な話、背中や腕・足などの症状が酷くても、服で隠れる部分は「生活」できますが、顔は悪化すると飲料や食料の調達にすら困るようになり、「生活」に大きな支障があります。
私がこの2年の間で日常生活を送れるほどに改善し、外出することを躊躇わなくなっている状況に、このロコイド軟膏は大きく貢献していることを実感しています。
実は、非ステロイドのモイゼルト軟膏という薬も何度か処方されたことがあります。病院の先生からはステロイドでない弱い薬への移行を勧められていましたが、ロコイド程には安定感がなかったこともあり、今はモイゼルト軟膏は使っていません。
体
私のアトピーは、幼少の頃は肘裏や膝裏くらいでしたが、今は頭や背中も含めて全身に患部が広がっています。手の甲や指にまで広がったため、爪がまともに生えてこなくなるなどの症状も併発するほどでした。炎症が引いた今も、内出血のように黒ずんだままだったり、硬質化して折り重なって固まった皮膚など、色々な痕跡が残っていますが、私の場合痒みも痛みもないし、「生きる」上では気になりません。
逆に言うと、そういう見た目を気にする人は、早めに対処した方が良いという事でもあります。皮膚の表面は治っても、黒くなったり硬質化してイボのような見た目は、あまり美しいものではないでしょう。
アンテベート軟膏
全身の体には、「アンテベート軟膏 ヘパリン類似物質油性クリーム」などと書かれたカップの軟膏が処方されています。アンテベートがステロイド外用薬で、ヘパリン類似物質油性クリームは保湿や抗炎症のための成分のようです。効果が強いせいか、目の周りなどには使わないようにと注意されています。
私の場合上の写真よりももう少し大きめのカップを2個処方され、それを1か月で使い切るペースでしたが、徐々に使う量が減っていき、今は1カップを1~2か月で使うくらいになっている気がします。「塗りすぎるとあまり良くないけど、塗らないと悪化する」という典型的なステロイド外用薬のような気がします。
最初は全身酷い状態だったので、毎日2~3時間かけて全身にくまなく塗っていましたが、今は背中や足の指先など、症状が悪い箇所に1日2回まで塗るといった運用になっています。塗ると症状は緩和しますが、顔と違って背中や足は「擦れる」部位でもあり、乾燥したり炎症を起こしたりしやすいように思います。そのため、塗ってもまた悪くなることが多く、悪くなったらまた塗るを繰り返すしかありません。
また、夏の暑い日は、全身にクリームを塗ることになるので、暑さは増大します。大量の汗をかいて朦朧とするようなこともあり、薬を塗って熱くなった体を冷やすために「エアコンをつける」ということもある程です。薬剤師の人に相談し、夏場は冷蔵庫で冷やしていますが、塗る時だけ冷たくて結局暑くなるので、あまり効果はないような気がします。暑くなったり汗をかいたりして不快感が増すと、ストレスで逆に痒みを生じることもあるので、特に夏場は塗ることを躊躇いがちです。
毎朝欠かさず寝起きに目薬
アトピー性皮膚炎の影響なのか分かりませんが、私は目の周りだけでなく眼球周辺も痒みがあり、酷いときは目をこすりすぎて膨大な量の目ヤニのようなものが出てきて、視界が完全に奪われるような状況でした。視界がないと何もできなくて困るので、ティッシュなどで取ろうとするのですが、眼球に巻き付いていることも多く、取ることが困難なため、最終的には水道水を眼球に勢いよく流すという荒業で視界を確保していました。
目の中の痒みを病院の先生に相談し、処方された目薬を使うようになってからは、この2年間上記のような酷い症状になったことはありません。処方された目薬は以下です。
オロパタジン点眼薬
オロパタジン点眼薬は、アレルギー性の結膜炎の治療に用いられる薬のようです。この目薬は、病院から使用は一日4回までという制限をかけられていて、私は最初のうちは限界まで使っていましたが、安定している今は朝起きて一回だけ使うようになっています。起きた後のモーニングルーティンの最後に設定されていて、目薬を差し終わったら一日が始まるという感じです。
日中は目の中が痒くなることは少なくなっていますが、痒みがあるときは2回目をさすこともあります。入れた後は、特別な爽快感も痛みもなく、とても平和な目薬です。
目の周りの軟膏を塗った後は、目薬を差すと目の中に軟膏が溶けだしてきてしまうので、目薬を差すタイミングには注意が必要です。必ず目薬から軟膏の順番として、軟膏の後はしばらく目薬禁止といった運用を徹底しています。
乾燥対策に保湿の泡
あまり使っておらず、たまに病院の先生や看護師の人に使うように注意されている保湿の泡の薬があります。
ヘパリン類似物質外用泡状スプレー
このスプレーは、使用すると泡がしゅわしゅわと出てくるので、ちょっと楽しい感じで、柔らかい泡を皮膚に塗る感覚は軟膏と違って、とても優しい感じがします。
乾燥した肌の保湿をするための薬で、上述のカップの薬と違ってステロイドが含まれていません。肌が乾燥してカサカサしているだけであれば、炎症を抑えるためのステロイドを含んだ薬である必要がないため、症状をみながら使い分けるのが最善なのだと思います。
ただ、症状を素人が見ても「炎症しているのかどうか」の判断が難しく、乾燥してボロボロになっている状態が、保湿だけでよいのかどうか分からないのです。気持ちとしては「元に戻したい」一心なので、「効果がないかもしれない薬」と「効果が必ずある薬」がある場合、どうしても確実に効果がある薬を選んでしまうのです。逆に、そこまで症状が悪化していないのであれば、そもそも薬を塗らないという選択をしてしまうため、個人的には「使いどころが難しい」薬の一つです。
通院時に光線治療
通院の頻度は2~3日毎だったのが2年間の間に徐々に間隔が伸びていって、今は月に一回程度になっています。その間、通院時には必ず症状を見てもらった後で光線を浴びる治療を受け続けています。
清算後に受け取る明細には「皮膚科光線療法 中波紫外線」と記載されていますが、全身(首から下)の皮膚に直接光を当てる治療で、上半身・下半身の裏・表と3分くらいずつに分けて4回程、合計15分くらいかけて全身に光を浴びています。
アトピー性皮膚炎の治療の一つで、免疫反応を抑える効果があるようで、先生が症状をみながら光の強さなどを調整して行っています。
病気と共に歩む
飲み薬・塗り薬と併用して治療を行っているので、結局何が最も効果があったのか正確には分かりませんが、少なくとも私はここまでに記載した薬と治療を2年間続けたことで、驚くほど症状が改善しています。
私の場合、症状がひどいときは本当に外にでれないレベルになり、自分で鏡を見ても「人に見えない」ことで絶望する程です。そこから2年間で、外に出ることに迷いがない程に回復できたことは、本当に病院の先生に感謝しかありません。
アトピー性皮膚炎の治療法が見つかるまでは、現在の対症療法で抑えながら上手に付き合っていくしかありません。私の場合、完治させようと躍起になっていましたが、その結果視野が狭くなって結局逆に悪化したように感じています。振り返れば後悔も多く、人生設計そのものが完全に破壊されてしまいましたが、今は逆に新しい価値観や考え方が育ったと前向きに考えられるようにもなってきています。
アトピー性皮膚炎で悩んでいる方へのメッセージ
私と同じように、症状の酷いアトピー性皮膚炎で悩んでいる方に向けて、私からのアドバイスというか大事な注意点とメッセージを書いておこうと思います。
- ひとつの病院に固執しない
- ステロイドを恐れすぎない
- 薬や治療をしっかり継続する
私の最大の後悔がこの1.です。病院や先生が変わると、治療法も変わります。過去に良くなった経験があったとしても、今の症状が改善しないようであれば、早めに他の病院にも相談した方がよいでしょう。気に入る or 効果が出る病院に出会うまで何個も渡り歩いても良いかもしれません。私の場合はメインの病院の他は、2個くらい別の病院を試しに行ってみてはいましたが、メインの病院への過度な信頼があって、別の病院の治療をあまり受け入れられませんでした。また効果があっても高額だったり遠方だったりすると続けにくいので、できるだけ近場で通えるところを探したいところです。
2.は私の通っていた病院がステロイドを極力避けるような病院だったため、何度も診察の際にステロイドで悪化した皮膚の写真などを見せられ、それ以外の治療法を勧められ、私自身もステロイドに対する嫌悪感のようなものがありました。しかし今は、酷く悪化した皮膚を一度正常な状態に戻すために、ステロイドが有効な場面があると感じています。1.にも通じますが、色々な病院の先生の話を「真剣に」聞くことも大事だと思います。
3.の継続については、多くの人にとって大きな問題でしょう。日々の仕事に追われていると、通院する時間も労力も惜しいものです。残念ながらアトピー性皮膚炎は抑えることが出来ても完治しない病気なので、治療を止めると再発してしまいます。もちろん原因が明確になっている場合、それらを除外することで再発をある程度防止することはできるでしょう。私も仕事をし始めてからは、乾燥したり痒くなったりすることがあっても、日常生活に支障があるような状態には、少なくとも10年以上なっていませんでした。悪化し始めたらしっかり治療して、油断せずに続けることが大事だと感じています。私の場合、絶望から回復して2年間継続できていますが、これから恐らく最期の日まで毎日闘病生活をすることになるでしょう。生活の一部として受け入れて、病気と共に歩む覚悟こそ、もっとも重要な事のようにも思います。
私のように、仕事も妻も娘も車も家も、何もかもを失う前に、是非しっかりと治療してみてください。痒みや皮膚の悩みは他人に理解されにくかったり、ボロボロの肌が不衛生と思われたりするなど、精神的にも苦しいことが沢山ありますが、自分に合う治療法があると信じて、共に頑張りましょう。
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