「避ける」を意味する英単語 – evade, avoid, dodgeの違い

evade-avoid-dodge 雑学

言語には同じような意味の単語が複数ある事は珍しくなく、それらは類義語と呼ばれます。日本語以外の映画や海外のゲームなどで、自分の知っている意味と同じような違う単語と出会うと、その意味の違いが気になることがあります。

今回は、日常会話でもよく使う「避ける」という意味を持つ複数の英単語(evade, avoid, dodge)について、それぞれニュアンスの違いや使われ方などを紹介しています。ゲームなどにおいては、「回避する」や「回避率」のような要素を表す単語として頻繁に使われます。一般的な例文の他に、アニメやゲームで使われる実際の英単語についても紹介しています。

「避ける」を意味する英単語の違い

英語には日常的に使われる「避ける」を意味する言葉が複数あり、映画やドラマなどの英会話の中でもたびたび耳にします。今回は、その代表的な物としてevade, avoid, dodgeの3種類を紹介します。

それぞれの英単語は、概ね以下のようなニュアンスの違いがあります。

英単語ニュアンス
evade(計画的に)避ける、逃げる、さける
avoid(本来すべきことを)回避する、距離を取る
dodge(瞬間的に)避ける、よける

どれも似たような意味で使われるのですが、ニュアンスとしては上表の様に少しずつ異なっています。最も汎用的に使われるのはavoidのようにも感じますが、evadeも似た様な表現で使われることも多いです。dodgeは、物理的な物を回避する(よける)といった時に使われるため、若干他の2つよりもニュアンスが遠いイメージでしょう。

それらの使われ方などについて、順番に見ていきましょう。

各単語の使われ方など

それぞれの大まかなニュアンスが分かったところで、辞書的な意味や使われ方についてもそれぞれ確認しながら、使われ方の例などを順番に見ていってみましょう。

英語の挿絵

evade

evadeの発音は、無理やりカタカナ表記するとしたら「イヴェイド」となるでしょう。

evadeを表す日本語としては、以下のようなものが挙げられます。

  • (巧みに)逃げる、回避する
  • (うまく)言い逃れる
  • (質問を)はぐらかす

これらの意味からも想像できるかもしれませんが、evadeには「上手に/賢く」といったニュアンスが含まれていると言えます。Google 翻訳の辞書では、evadeについて以下のように説明がされています。

英英辞書 : escape or avoid, especially by cleverness or trickery.
日本語訳 : 特に巧妙さや策略によって逃げたり避けたりすること。

evadeの辞書の説明でavoidが使われているように、両者はとても近い意味をあらわす単語です。特に、「巧妙さや策略によって」という部分がevadeとavoidの大きな違いの一つです。

ちなみに、evadeをGoogle翻訳で調べると「回避する」になりますが、日本語と英語を入れ替えると、「回避する」はavoidになるようです。これは日本語の単語の方が包括的な表現なために起きている現象と言えるのかもしれません。

分かりやすい例文としては、以下のようなものがあるでしょう。

英文 : She’s trying to evade my questions.
和訳 : 彼女は私の質問を避けています。

avoid

avoidの発音は、カタカナで表記するとしたら「アヴォイド」ということになるでしょう。

avoidを表す日本語としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 避ける
  • 回避する
  • 敬遠する
  • 差し控える

上記の通り、かなり汎用的な「回避する」という意味を持った単語です。敬遠するという意味合いがあるように、「距離を取る」というニュアンスも感じられる言葉で、英英辞書などでは「Keep away from : 近づかない、離れている」といった表現で説明されることもあります。

単純な例文としては、以下のようなものがあるでしょう。

英文 : He avoids crowds.
和訳 : 彼は、人混みを避けている。

ただ、evadeのところで紹介したような、「質問を回避する」といった表現をavoidで言い換えることもでき、日常会話などではどちらも使われます。通常はavoidを使って表現しておいて、少し「賢いニュアンス」を強調したいときにはevadeを使うといった使い分けも良いでしょう。

dodge

dodgeは、カタカナで表記するとしたら「ダッジ」または「ドッジ」ということになるでしょう。ダッジがアメリカ英語に近く、ドッジはイギリス英語に近いため、どちらが正しいというものではありません。日本のドッジボールは、イギリス英語の発音に近いカタカナ語と言えます。アメリカ英語風だと「ダッジボール」ということになるでしょう。

dodgeを表す日本語としては、以下のようなものが挙げられます。

  • (さっと)避ける
  • (ひらりと)身をかわす
  • 巧みに回避する
  • ごまかす

dodgeは、物理的な物を「肉体的に回避する」という場合によく使われる単語ですが、「ごまかす」とあるように精神的な物を回避する場合にも使われることがあります。

個人的に好きな表現を例文として紹介します。

英文 : Then I can’t dodge this bullet.
和訳 : なら誤魔化しはきかないだろうね…

直訳すると「弾丸を避ける」という意味ですが、「ギリギリの状況から逃れる」といった場合に使われる英語の表現で、ここではcan’tが付いて「もう誤魔化せない」といった意味合いで使われています。

青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

作品サイト : アニメ「青春ブタ野郎」シリーズ ポータルサイト

この表現は、アニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の英語字幕で使われていて、非常に興味深いと思って、特に印象に残っています。使われていたのは、第7話(双葉回の最初)のあたりで、ネットカフェで発見された双葉が、咲太に腕を掴まれた状態で発する言葉です。「電話の相手は私? なら誤魔化しはきかないだろうね…」と続く台詞で、少し比喩的なニュアンスを感じるdodge this bulletが使われていました。

bulletはバレットではなくブレット – 危険なカタカナ語

ちなみにdodgeから少し話は逸れますが、日本では何故かbulletをバレットとカタカナ表記・発音する風習があります。しかし、bulletの発音は、bookやpushなどと同じウに近い音なので、カタカナ表記するとしたら「ブレット」の方が近いので、英単語を覚える際にはカタカナ語に惑わされないようにしましょう。

その他にもカタカナ語として日本で定着しているものの中でも、実は英語では違う意味を表すという場合もあります。興味のある方は、以下の記事などもご覧ください。

ゲームに頻出する「回避する」

回避する、よけるといった言葉は、日常会話でも使われますが、アクション性のあるゲームなどでは頻繁に使われます。ゲームのメカニクス(仕様)や、アイテム・ステータスなど様々な所で「一定確率で回避する」や「回避率を高める」といった使われ方をしています。場合によっては、動詞としてではなく、名詞などの変化形で使われることも多いです。

path of exile

ここでは、少し具体的な使われ方を確認するために、ひとつの作品「Path of Exile」を例として見ていってみます。

公式サイト : Path of Exile

Path of Exileは、Steam等で配信されている無料ARPGで、いわゆるDiabloライクなハックアンドスラッシュ(ハクスラ)ジャンルの作品です。自由度が高く、プレイヤーに膨大な選択肢を与えてくれる本作では、回避に関する要素も盛り沢山です。

Path of Exileでのevade, avoid, dodge

Path of Exile(PoE)には、様々な防御要素があり、プレイヤーは自分の思い描くキャラクターに近づくように、バランスよく選択していきます。ひとつのゲームの中で、同じような「回避する」という意味合いの言葉がこれほど沢山登場するゲームは少し珍しいかもしれません。

ゲーム内での使われ方だけでなく、英単語の名詞としての意味や使われ方や、注意すべき発音などについても、順番に紹介していきます。

evasion : 回避 (敵の命中率依存の回避)

evasionは、PoEの基礎ステータスDexterity(Dex)に関連した防御仕様です。装備品やDexによって得られたevasion ratingと、敵の命中率によって計算され、敵のAttackが命中するかどうかを決定します。

evade(回避する)が名詞になって、evasion(イヴェイジョン)となっています。evasionは「何かを回避する事」または「回避」そのものを意味します。

evasionからは元の動詞にあった末尾のeが消えているため、発音を間違えやすいので注意しましょう。

avoidance : 回避 (特殊な状態回避など)

PoEにおけるavoidanceは、特殊な効果を回避する防御仕様です。ゲーム内では、#% Chance to avoid being Stunnedのように、一定確率で状態異常(ここではスタン)を回避するといった表現でavoidが用いられています。状態異常以外に、Projectile(投射物)だけを一定確率で回避するといった特殊な場合にもavoidが使われています。

パッシブスキルの名称などには、avoidanceという名詞形が使われています。avoidanceの意味は「回避」ですが、元の動詞のニュアンスとして「距離をとる」イメージや、「何かをやらない」といった意味合いが含まれます。

dodge : 回避 (条件なしでの回避)

PoEのdodgeは、敵の命中率に関係なく、一定割合で敵の攻撃を回避するという超強力な要素です。現在は様々な調整が行われた結果、一部を除いてほとんど入手不可能な要素になっています。元々dodgeだった回避要素は、アップデートにてavoidに置き換わったものなどもあります。

dodgeは、動詞としても名詞としても使われる単語です。名詞としては、「回避(するための素早い)動作」を意味します。

Path of Exileの続編について

Path of Exileというゲームは自由度の高いARPGで、Steam等で高い評価を得ている無料ゲームです。2024年には続編となるPath of Exile 2(PoE2)のEarly Accessが始まっており、2025年中ごろにはリリースされる予定とされています。

PoE2は実装途中のバージョンであり、前作での人気の中心だった「高い自由度」が足りていない状態として賛否両論の状態ですが、8年以上も高い評価を得続けた作品の後継として、今後の実装などには注目が集まっています。

Path of Exile2に興味のある方は、Path of Exileの1と2の違いについてまとめた以下の記事も参考にしてみてください。

現在のPoE,PoE2は、どちらも日本語のローカライズも対応しており、英語が苦手な人も楽しめる作品となっています。ただ、英語で作成されている情報サイト(Wiki含む)などは多く、本気で遊ぶのであれば英語の方が間違いなく便利ではあります。英語の学習も兼ねて、英語でのプレイを検討してみるのもよいかと思います。

単語のニュアンスにも興味を持ってみよう

日本語は本当に表現力が豊かな言語と感じます。豊富な一人称や敬語といった「奥ゆかしい」言い回しが多く、相手に対して様々な配慮が言葉で表現できます。

英語には、文法や単語としての敬語表現は少ないですが、微妙にニュアンスの違った単語が豊富な言語でもあります。日本語のような「曖昧な表現を話者が汲み取る言語」ではなく、英語は「異なるものは明示的に示す言語」とも言えるのかもしれません。

言語の学習では、単語を覚えることは大事な事ではありますが、機械的に覚えるだけでなく、言葉のニュアンスなどにも興味を持つと、より楽しく学べるのではないかと思います。また、例文やシーンと共に単語を覚えると、思い出しやすくなり、英会話などでも自然に使えるようになると思いますので、是非試してみてください。

本サイトでは様々な類似語の記事があります。ひとつだけオススメの記事を個々で紹介しておきますので、興味のある方はそちらも是非ご覧ください。以下の記事では、卵を意味する「EggとRoe」の解説を中心に、日本食の「明太子」に関する雑学や英語表現などを紹介しています。

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