日本語のカタカナは、擬音語などで用いられる他、外来語にも使われています。英語を始めとした様々な外国の言葉が、元の発音に近い形でカタカナの言葉になっていて、日常的に使われるようなものも多くあります。
カタカナの名前は、海外のゲームのキャラクター名などにも使われていることが多いです。元の単語の意味を知ると、世界観やキャラクターの背景などを理解する事にも繋がり、一層楽しめるものです。今回は、Dead by Daylightに登場するリージョンというキャラクターと、その元になっている英単語などについて紹介しています。
LegionとRegionの違い – リージョン
英語のlegionとregionという2種類の単語は、LとRの発音の違いがあり、単語としては全く異なる意味を持ちますが、日本語のカタカナにしたときに同じ「リージョン」となってしまいます。
お急ぎの方のために、最初に単語の代表的な意味の違いを紹介しておきます。
英単語 | 代表的な意味 |
---|---|
legion | 軍団 |
region | 地域 |
それぞれの単語について、使われている例を確認しながら、以下で詳しく見ていきましょう。
Dead by Daylight(DbD)のリージョン – legion
legionをカタカナで表記する場合、「リージョン」の他に「レギオン」とすることがあります。この表記は、発音ではなくローマ字読みによるものと思われます。リージョンとしてしまうとregion(地域)と区別がつきにくいので、あえて変えている場合もあるでしょう。英単語legionの発音は「リージョン」に近いので、勘違いしないようにしましょう。
意味としては以下のようなものが挙げられます。
- (可算名詞) 軍団、軍隊
- (可算名詞) 多数
- (形容詞) 多数で
軍団を意味するlegionが使われている例としては、大人気オンラインゲームのDead by Daylightに登場する「リージョン」が挙げられます。殺人鬼のリージョンは、英語では「The Legion」という名前になっています。
下の画像では1名だけですが、実際にはフランク、ジュリー、ジョーイ、スージーという4名の不良で、仮面をつけている間だけあらゆるタブーから解放されるという設定のキャラクターとなっています。不良軍団だからリージョン(The Legion)という訳です。ゲーム内でプレイするのは1名ですが、スキンやアイテムの名称などで各キャラクターの名前や姿が登場します。

また、同ゲームに登場する「ブライト」も、LとRの違いで意味の異なる英単語が存在します。以下の記事で詳しく紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
DVDのリージョン(コード) – region
最近はオンラインでのストリーミングなどが普及したことで、徐々に使われる機会も少なくなったように感じますが、映像などが記録されているDVDのプレイヤーなどで使われる用語に「リージョン」というものがあり、DVDを扱う仕事などでは耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。このカタカナの基となっているのは、英単語のregionです。
意味としては以下のようなものが挙げられます。
- (可算名詞) 地域
- (可算名詞) 領域
- (可算名詞) 部位
- (可算名詞) 行政区
DVDのリージョンとは、DVDのディスクやプレイヤーに割り当てられた番号(リージョンコード)のことで、再生可能な地域を限定する用途で使用されます。プレイヤーと異なる地域設定のディスクは再生することができません。プレイヤーの地域設定を変更して無理やり再生することは可能ですが、一般的なプレイヤーはリージョンコードの変更に回数制限が設けられていることが多いため、変更を繰り返すと元の地域設定に戻せない可能性があります。
リージョンコードは1から8の番号で、代表的なリージョンコードと地域を以下に紹介します。(7と8はプレスや航空機など、特定用途のために使われます)
番号 | 地域 |
---|---|
1 | 米国、カナダ |
2 | 日本、ヨーロッパ、中近東、南アフリカ |
3 | 東アジア、東南アジア、香港 |
4 | オセアニア、中東、カリブ諸国、南米 |
5 | ロシア、北朝鮮、南アジア、アフリカ諸国 |
6 | 中国 |
近年では、どのリージョンコードのディスクも再生できる「リージョンフリー」のプレイヤーもあるようです。DVDの権利面を突破できる機器ではありますが、日本の現行法制上は違法ではないとされているようです。また、ディスク側でも制限のないリージョンコード「ALL」が設定されていたり、複数の番号が設定されているものもあります。

ゲームからも学べる英単語
近年はインターネットを使ったオンラインのゲームも多く、日本だけでなく海外のゲームも日本で広く遊ばれるようになりました。元は海外のゲームであっても、日本語に対応しているものは、日本語に翻訳されていたり、固有名詞はカタカナ表記になっていたりするので、日本人がプレイするのには困りません。場合によっては、海外のゲームであることに気付かないこともあるでしょう。
近年人気の作品としては、League of Legends(LoL)やCounter StrikeといったE-Sportsのゲームや、MinecraftやPath of Exileといったゲームなどがあり、これらはいずれも元は海外の開発会社が制作したものです。もちろん今回紹介したDead by Daylightも海外のゲーム会社の作品です。
ゲーム | 開発元 | 国 |
---|---|---|
League of Legends | Riot Games | アメリカ合衆国 |
Counter Strike | Valve Software | アメリカ合衆国 |
Minecraft | Mojang Studios | スウェーデン |
Path of Exile | Grinding Gear Games | ニュージーランド |
Dead by Daylight | Behaviour Interactive | カナダ |
日本で制作されるゲームの多くは、メインターゲットを日本にしている場合も多いため、日本語で開発されることが多いですが、海外のゲームの場合は「英語」が必ずと言っていい程含まれています。
海外のゲームから英語を学習するメリット
海外のゲームを、日本語の設定でプレイしている場合でも、キャラクターやスキルなど様々な所で「カタカナ」の言葉を見かけることになるでしょう。聞き覚えのないカタカナの多くは、固有な名前か、英単語の発音をカタカナにしたものである場合が多いです。
「ゲームをプレイしながら英語学習する」というのは、効率が悪そうに思うかもしれません。
しかし、好きなゲームをしながら覚えた英単語は、「記憶に残りやすい」という強力なメリットがあります。また、単語が使われている状況や形状など、具体的なイメージに繋がりやすく、これは「英語脳」を作ることに役立ちます。英語脳というのは、実際の英会話などで、単語を日本語で思いついて英語に翻訳するのではなく、根源的なイメージから直接英単語が思いつくようになることで、これは円滑な会話をする上でとても役に立ちます。
この記事をじっくり読んでいただいた方は、大勢の軍勢を見たり想像したりした際に、自然とDead by Daylightの4人組と共にLegionという単語が思い浮かぶのではないでしょうか。単語力を増やす場合、単語帳などで機械的に覚えるのではなく、例文や利用されているシーンと一緒に覚えるようにすると、思い出しやすくなって実用性が高まるので、是非試してみてください。
以下の記事では、Minecraftに登場する「修繕 : mending」について言及していますので、是非こちらもご覧ください。
海外の言語や文化へ理解と敬意
今回紹介した「リージョン」のように、カタカナ語になっている外国の言葉には注意が必要です。元の発音から変わってしまっていたり、複数の単語の意味で使われているといったことが多いからです。単語によっては、元の言語の意味が失われ、日本独自の意味合いで使われるようになっているものもあります。
有名どころでは、応援するときの「ファイト」という掛け声は、英語では「殴り合え」という意味合いであり、本来応援に使うような言葉ではありません。海外でその言葉を使ってしまうと、暴力事件に巻き込まれる可能性もあるため、注意しなければなりません。
以下の記事では、日本で混雑の意味で使われるようになっている「ラッシュ」という言葉について紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。
カタカナの言葉は、外来語を日本の発音体系に変換して使う事が出来てとても便利ではありますが、その本質や危険性をしっかり理解して、誤った使い方をしないように注意しましょう。インターネットの普及に伴って、海外のコンテンツや人と関わる機会が爆発的に増えました。仲の良い海外の友人などを不快にさせることが無いように、出来るだけ相手の言語や文化を学び、相手への敬意や配慮といった気持ちを大事にしたいものです。
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