「修理する」の英語は1つじゃない – fix/repair/mendの違い

FixRepair違い 言語

英語で「壊れた時計を直す」と言いたいとき、あなたならどの単語を使いますか?
fix? repair? それとも、あまり聞き慣れない mend?
実はこの3つ、どれも「修理する」という意味ですが、ネイティブは状況によってきっちり使い分けています。

本記事では、それぞれの単語が持つ微妙なニュアンスや使いどころを、具体例とともに分かりやすく紹介します。これを知れば、英語表現がもっと自然に、もっと正確になります。

「修理する」の英語は1つじゃない

英語で「修理する」を表そうとしたとき、fix・repair・mend…といくつも単語が出てきて迷った経験はありませんか?辞書にはどれも「修理する」と書かれていますが、実はニュアンスや使う場面が少しずつ違います。

まずは3つの単語の主な違いを表にまとめてみましょう。

fix / repair / mend の違い

「修理する」の意味を持つ有名な英単語には、fixrepairの他にmendなどがあります。特に、フィックスとかリペアというカタカナ語は日本語でも利用されるため、聞いたことがある人も多いでしょう。

それぞれの単語の主なニュアンスの違いを表にすると、以下のようになります。各単語は、修理する人や対象のもののイメージが異なります。

英単語ニュアンス
fix(素人が) 修理する – アメリカ的
repair(専門家が) 修理する
mend(主に服や履物を) 修繕する – イギリス的
英単語fix,repair,mendの違い

日本語でも、「修理する」という意味で「直す」と表現することもあり、それぞれ違ったイメージがありますが、それは英語でも同じです。それぞれ意味は同じで意図は伝わりますが、各単語に少しずつ異なったイメージやニュアンスがあるということになります。

それぞれの単語について、詳しく見ていってみましょう。

fix の意味と使い方

fixは素人・一般人が修理するイメージの単語です。

英語のfixという単語は、日本語の「直す」のように、日常会話などで広く一般的に使われます。

fixという英単語は、「修理する」の他にも様々な意味で動詞として使われます。

  • 固定する
  • (注意を)じっと向ける
  • 決定する
  • (罪を)負わせる
  • 修理する
  • (食事を)用意する

動詞としては、「固定する」という意味でよく使われます。

日本のビジネスシーンでは、カタカナ語で「フィックスする」といった使われ方もされますが、これは「予定を固定する」という意味から来た言葉です。現在は、広い意味で使われるようになっており、「最終決定する」「完了とする」のような意味合いでも使われます。

ソフトウェア業界で広く使われる「fix」

ソフトウェアの修正は紛れもなくプロ集団によって行われるわけですが、「ソフトウェアの修正」のことはfixを使うのが一般的です。

Bug Fix

ソフトウェアの不具合はバグ(bug = 虫)と呼び、その修正の事はバグフィックス(bug fix)と呼びます。

近年では不具合の事をグリッチ(glitches)と呼ぶ人もいたりします。特にゲームなどの不具合などを利用して不正な行為をする場合などに使われることが多いようです。それぞれの意味については以下の記事でも紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。

repair の意味と使い方

リペアー(repair)は、「修理する」という意味の英単語として日本でも広く知られています。日本でも「リペアキット」のような商品名の修理用品が数多く販売されています。

リペアキット

日常生活においてrepairという単語は、ちょっとした修理ではなく「本格的な修理」をする場面や、プロに来てもらって修理してもらう場合などに使われる単語です。

repairは、修理することで元の状態に戻すといった意味をもった言葉です。

カタカナ語のリペアーと違って、元の英単語repairは物品が故障して直すという意味合いだけでなく、損害を償ったり、体力を回復するといった意味でも使われます。

  • 修理する
  • 訂正する
  • 償う

repairという言葉はラテン語由来の単語で、re(再び) paro(使えるようにする)という単語から作られた言葉が変化したものです。英語には、「re : 再び」の意味を持った単語(例 : repeat, replay, redoなど)が多くあり、repairもそのひとつです。

言葉の語源からも、repairは「修理」や「元に戻す」といったイメージが非常に強い単語です。

mend の意味と使い方

mendは「修理する」という意味合いの英単語ですが、日本ではカタカナ語で使われることもないため、日本人としては聞き覚えがあまりない単語かもしれません。

mendは「修理する」という意味の英単語ではありますが、布製品を繕う(つくろう)といったニュアンスがあり、衣服など「身につける物品を修繕する」といった意味合いで使われることが多い英単語です。

  • 修理する、繕う
  • 改善する

人気ゲームMinecraft(マインクラフト)では、「修繕」エンチャントはmendingとなっています。

ニュアンスを知ればもっと正確に表現できる

言語に限らず、何かを学ぶ際に大事なものは「疑問に思う事」だと思います。疑問に思うということは、「興味」が湧いているということでもあるでしょう。疑問にも思わず、興味もない事を、延々と座学などで学ぼうとしても、なかなか習得できないものです。

言語の由来や歴史も面白い

会話のための言語(英会話)だけでなく、言語の体系や歴史も興味深いものです。

本サイトでは英語の辞書のような解説記事ではなく、少し変わった角度から意味の違いを紹介するような記事が多くなっています。由来を辿ったら違う言語に辿り着くとか、面白い経緯や歴史があるものなどは雑学としても面白いものです。興味のある方は是非他の記事もご覧ください。