raven(レイブン)とcrow(クロウ)の違い – カラスを意味する英単語

raven-crow-difference 言語

英語の学習をしていると、違う単語で知っている単語と同じ意味の単語に出会うことがあります。そういった時に、「どういう違いがあるのか」「どういった使い分けがされるのか」という点に疑問を持って調べると、その言語の理解度が高まるように思います。

日本語では、レイブンクロウも同じようにカタカナで使われ、どちらも「カラス」を意味することが知られています。しかし、英単語としてのravencrowにはイメージの違いがあります。今回は、それぞれの単語の違いと合わせて、名前に各単語が含まれたキャラクターなども紹介しています。

ravenとcrowの違い

ravenとcrowという英単語は、日本語でもレイブン・クロウのようにカナカナ語としても定着しており、ゲームや映画・アニメなどで耳にすることも多く、馴染みのある言葉でしょう。

英単語のravenとcrowのイメージの違いについて、以下順番に紹介します。

raven : レイブンの意味やイメージ

ravenはカラスの事を表す英単語で、イメージとしては「大きくて光沢のある黒い羽毛を持ったカラス」です。

辞書などで調べると、説明文にはカラスを意味する[crow]が含まれていることも多く、食性として「死肉を食らう」という補足文がある事もあります。カラスは、日本でもゴミを漁ったり腐肉や死肉を漁る賢い鳥といったイメージがありますが、基本的には英語圏でも似た様なイメージだと言えます。

ravenは、そんなカラスの中でも「特に大きい」イメージと共に、「美しい」といったイメージがあることが多いようです。

また、crowが少し影のあるイメージなのに対し、ravenは善のイメージがあるのか良いカラスとして描かれたり、善人のキャラクターなどの名前に使われることもあります。

ravenという単語を形容詞として使うと、「光沢のある黒」を意味します。美しく黒い髪の毛を表現する際などに、thick raven hair (濃くて黒い髪の毛)のように使われます。thickというのは、「厚い」という意味合いの言葉ですが、色に対して使われる場合は「濃い」という意味になります。複雑な「濃い」という英単語表現については以下の記事にもまとめてありますので、興味がある方は是非ご覧ください。

ravenが変化した形容詞「ravenous : ラヴェナス」の意味

ravenousという英単語は、カタカナで無理やり発音を表現すると「ラヴェナス」や「ラベナス」といったところでしょうか。意外とゲームなどでは聞くことも多い単語です。

ravenから変化した形容詞「ravenous」は、とてもお腹が空いている状態を表す英単語です。

元のお腹が空いている意味合いから、「がつがつした様子」や「飽くなき欲望」がある様子を表す際に使われます。飢えた状態と言い換えても差し支えがないでしょう。「貪欲な」という意味でも使われ、a ravenous spiritという名前のキャラクターからは襲ってくる幽霊のようなものが想像されます。

ravenが名前に付く人やキャラクター

「大きなカラス」や「善」のイメージがあるraven : レイブンという単語は、キャラクターなどの名前に使われることも少なくありません。

格闘ゲームTEKKEN8のキャラクター – RAVEN

名前にravenという単語が使われているキャラクターは多いですが、ここでは日本の格闘ゲームから一人だけ取り上げて紹介してみます。

raven in Tekken8

上記画像は、TEKKEN8という日本のバンダイナムコ社が開発している対戦格闘ゲームに登場するRAVENというキャラクターです。キャラクターとしては、特殊な行動を駆使して戦うトリッキーなキャラクターとなっていて、特にカラスの要素が含まれていることはありませんが、狡猾で素早いイメージにRAVENの名前は納得感も高いように感じます。(鉄拳8 オフィシャルサイト)

hololive EN所属のVTuber – Nerissa Ravencroft

また、インターネットを通じてゲームのプレイなどを配信しているストリーマーやYouTuber/VTuberなどの中にもRavenの名前が含まれている人もいるので、一人だけ紹介してみます。

上記画像のNerissa Ravencroftさんは、ホロライブ(hololive) English -Advent-所属のVtuberです。名前にもravenが入っていますが、キャラクターの右肩には黒いカラスが乗っています。大人びた雰囲気と美しい歌声が特徴で、公式サイトによると「音の魔人」ということになっているようです。(公式サイト – Nerissa Ravencroft)

crow : クロウの意味やイメージ

crowは一般的なカラスを意味する英単語で、日本でもカタカナ語でクロウとして使われます。

イメージとしてはravenと同じで黒い羽毛に覆われた鳥です。ravenよりも小柄な鳥をイメージされるのが一般的です。また、大きく重いくちばしがあり、うるさい鳴き声の鳥というイメージもあります。

動詞として使われると、screech(金切声)のような、大きな鳴き声を上げるといった意味になります。また、自慢話をするといった意味合いで使われることもあります。

また、オスのカラス(雄鳥)の事は、roosterとも言い表すことがあります。発音としてはルースターに近い音になります。

ravenが大きく美しい良いカラスのイメージなのに対して、crowには少し影があり、悪いことをする「ずる賢い」イメージもあるようで、しばしば悪役などの名前にも使われます。また、腐肉やごみを漁るといった「汚い」イメージが、ravenよりも強いようにも感じられます。

crowが名前に付く人やキャラクター

ravenと違って負のイメージもあるcrowですが、キャラクターや技などの名前に使われることも多いです。

Dead by Daylight – The ArtistのDire Crow

キャラクターの名前にcrowが付くものは、世界中に溢れていてどのキャラクターを紹介するべきか悩んだのですが、ここではキャラクター名にcrowが含まれるのではなく、技としてcrow(カラス)を使うキャラクターを紹介してみます。

the artist in dead by daylight

上記画像はDead by Daylightという非対称対戦ゲームにおける、The Artist(アーティスト)というキャラクターです。Killer(殺人者)であるThe Artistは、3匹のDire Crowを操り、Survivor(生存者)を追い詰めます。こういった人を攻撃する技のようなネガティブな名称には、RavenではなくCrowの方がよく用いられているように感じます。(DBD公式 – The Artist)

ZETA DIVISION所属のプロゲーマー – crow

インターネットで配信をしている人たちの中にも、crowという単語を使った人がいます。

crow in ZETA DIVISION

上記画像はプロゲームチームのZETA DIVISIONに所属されているcrowさんで、最近ではストリーマーやVTuberなどが参加する大会のCR Cupのコーチなども務めていたことから知っている人も多いかもしれません。

名前の由来はインターネット上では見つけられませんでしたが、彼の声と口調はとても優しく、カラスの鳴き声とは程遠いため、好きな色や狡猾な所、語感などから命名されたのかもしれません。(crowさん – YouTubeチャンネル)

カタカナ語「クロウ」に注意 – crowとclawの違い

カタカナ語のクロウは、カラスの他に(つめ)を言い表す際にも用いられます。

爪を表す場合には、クロウではなくクローと表現することも多いようですが、その法則は特に決まっていないようで、書き手や作品などによって変わるようです。

英単語意味カタカナ語
crowカラスクロウ
clawクロウ or クロー

clawの爪は、特に鳥や動物の足の爪のことを指しますが、人の爪の事を指す場合もあります。一方でnail(ネイル)という単語は、人間の爪のことを表します。

カタカナ語になってしまったことで元の英単語の理解が難しくなることがよくあります。以下の記事では、最近ネットゲームなどで耳にすることが多くなっている「ワース」というカタカナ語の危険性について紹介していますので、興味のある方は是非ご覧ください。

言語学習では「イメージ」を大事にしよう

外国語に限らず、同じ単語を発していても、ほとんどの場合イメージしているものが完全に一致していることはなく、その人の知識や経験に基づいて脳内で対象物に関する固有のイメージが形成されていることでしょう。言語が異なると、その言語の背景や知識などの差が激しく、よりイメージは遠ざかっていることには留意が必要です。

その言語圏で生活しれば、徐々にそのイメージは同じものへと近づくのかもしれませんが、異なる言語圏の人との会話をしている場合、多くの場合は「異なるバックグラウンド前提」で会話することになります

英単語などを覚える場合には、その言葉を使っている人たちが「どういった物をイメージしているのか」を合わせて脳内に記憶するようにすると良いように思います。これは、赤ちゃんが言語を習得している際に行っていることでもあり、大変自然な事だと考えるからです。

イメージを大事にする「英語脳」

raven – カラス – 黒い羽根の鳥(イメージ)と覚えるのではなく、raven – 黒い羽根の鳥(イメージ) – カラスとつなげるイメージです。英語脳とも呼ばれることがありますが、途中に第一言語の日本語を挟むと、言語変換による時間ロスが生じるだけでなく、イメージのズレも大きくなってしまう事にもなります。上記例でいうと、raven – カラス – イメージと、crow – カラス – イメージだと同じ日本のカラスのイメージになってしまうという事です。

今回はキャラクターや配信者の方などを紹介することで、それぞれの単語のイメージしやすいように記事を構成してみたつもりですが、如何だったでしょうか?

また、日常会話の中などで覚えた単語と実際に出会うと、そのシチュエーションが脳に記憶されていくので、印象やイメージも変化することになり、より自分の言語にしていくことができると思います。是非言語学習を進める際には、イメージを大事にしながら進めていってみてください。