英単語の中には、何度も目にするのに正しい読み方がよく分からない単語があったりします。中にはローマ字読みからは想像できない発音の英単語と出会って驚くこともあるでしょう。
plague(プレイグ)という単語は「病気」に関連した単語で日常会話ではあまり使われませんが、海外のゲームなどでは比較的良く使われるため、知っている人も多いでしょう。今回は、間違いやすい発音と共に、plagueの単語に関連した歴史的な背景もあわせて紹介します。
英単語 plague
ここでは英単語 plague の意味は発音などを確認します。
単語の覚え方や、例文の紹介、使い方のポイントなども紹介しています。
単語の発音
plagueという英単語は、ローマ字読みとは異なる発音で、英語に不慣れな日本人は間違いやすいので注意が必要です。

IPA(国際音声記号): /pleɪɡ/
plagueの発音は、カタカナの「プレイグ」に近い音です。
覚え方 ー 馴染みのある単語 (league)と同じ発音
plagueという英単語は、読み方がちょっと変わっています。
-ague という綴りで /eɪɡ/(エイグ)と読む単語は多くありませんが、日本人にも馴染みのある単語として「league:リーグ」があります。
単語 | 発音 (IPA) | 読み方 | 意味 |
---|---|---|---|
plague | /pleɪɡ/ | プレイグ | 疫病、災厄 |
league | /liːɡ/ | リーグ | 連盟、同盟 |
英単語league(リーグ)は、league of Nation (国際連盟:リーグ オブ ネイション)などで使われる他、人気ゲームLeague of Legends (リーグオブレジェンド : 通称LoL)などでも使われています。
日本語でも外来語「リーグ」として一般的に使われているので、plagueの発音を覚えたり、読み方を思い出す際に役に立ちます。
単語の意味
plagueという英単語には、以下のような意味があります。
- 疫病、伝染病
- ペスト
- 災厄、厄介なモノ
- 悩ませる、しつこく苦しめる (動詞)
plagueは感染症「ペスト」を意味する単語として使われますが、現代では一般的な疫病や伝染病などを表現する場合にも使われることもあります。
plagueを使った例文
plagueを使った例文をいくつか紹介します。
ポイントとして、以下を覚えておくと理解に役立ちます。
🔹 the plague → 歴史的ペストや特定の疫病
🔹 a plague → 一般的な疫病・災厄・比喩的な厄介者
- 🦠 疫病・伝染病の意味
- The plague that swept through the city in the 14th century killed thousands.
14世紀に街を襲ったペストは何千人もの命を奪った。 - Villages were deserted because of the plague.
村々は疫病のために無人となった。
- The plague that swept through the city in the 14th century killed thousands.
- ⚠️ 災厄・厄介なものの意味
- Poverty and hunger remain a plague in many parts of the world.
貧困と飢えは世界の多くの地域でいまだに災厄となっている。 - Spam emails have become a modern-day plague of the internet.
スパムメールはインターネット時代の現代的な「厄介者」となっている。
- Poverty and hunger remain a plague in many parts of the world.
- 😣 「悩ませる・しつこく苦しめる」の意味(動詞用法)
- The company was plagued by financial problems for years.
その会社は何年もの間、財政問題に悩まされていた。 - She was plagued with doubts about her decision.
彼女は自分の決断に対して疑念に悩まされていた。 - Tourists were plagued by mosquitoes in the humid forest.
観光客は蒸し暑い森で蚊に悩まされた。
- The company was plagued by financial problems for years.
感染症「ペスト」を表す英語表現 – plagueの言い換え
plagueは、単語として「ペスト」の意味を持ちますが、他にも「ペスト」を意味する英語表現がいくつかあります。
「pest」という単語もありますが、この単語は「害虫」という意味合いで使われる単語で、ペストの意味では使われないので気を付けましょう。スラングとして使うと「迷惑な人」という意味になります。
bubonic plague : ブーボニック プレイグ
bubonic plagueは、日本語では「腺ペスト」と訳されますが、感染症「ペスト」を意味する表現です。
bubonicは医療用語で、リンパなどに炎症をもたらすといった「ペストの症状」を表現する際に使われる英単語です。bubonic plagueで、ペストの症状をもたらす菌・病気(つまりペスト)ということになります。
Black Death : ブラック デス
ペストを発症すると、リンパ腺が腫れ、皮膚が黒ずんで出血斑がでるなどの症状を引き起こします。また、ペストで亡くなった人は、青黒くなってしまうために「the Black Death : 黒死病」とも呼ばれました。
Black Deathには「the」が必要?
the plagueと違い、文脈などによってBlack Deathにはtheが付いていない場合もあります。
これは、plagueという単語が「数えられない名詞(不可算名詞)」で病名を指すときは定冠詞 the が必要なのに対し、Black Deathはそれ自体が固有名詞として扱われていることが理由です。
以下の表に、ニュアンスの違いを簡単にまとめます。
表記 | 自然さ | ニュアンス |
---|---|---|
the plague | ✅ 必須 | 特定のペスト流行やペスト菌による感染症そのもの |
Black Death | ✅ 通じる | 固有名詞としての歴史的ペスト流行 |
the Black Death | ✅ こちらが正式 | 特定の歴史上の大流行を指す明確な呼称 |
ゲームで思い出すPlague
plagueという英単語は、ゲームでは頻繁に使われます。
日本人の感覚としては、大勢の人が亡くなられている病気の名前を使うことは、少し不謹慎な気もしてしまいますが、海外のゲームなどでは「強い病気」や「毒」のようなイメージで、キャラクター名などに使われていることも多いです。
Dead by Daylight – プレイグ (The Plague)
人気ゲームの「Dead by Daylight」で、生存者や発電機を感染させる能力を使う殺人鬼「プレイグ」は、英語では「The Plague」という名前になっています。

日本人としては「プレイグ」という外来語は一般的ではないため、単純な名前の様にも感じられますが、「ペスト」の意味を知っている英語圏の人たちにとっては、忌まわしい実在の病気を冠した名前と感じる事でしょう。
Dead by Daylightのキャラクター名で覚える英単語
The Plagueと同様に、Dead by Daylightに登場するキャラクター名には、日本人にとって紛らわしい・分かりにくい英単語が使われているものがあります。
以下の記事では、ブライトやリージョンのように、LとRで意味が全く変わってしまう英単語について解説していますので、是非あわせてご覧ください。
- The Blight
💡関連記事:意味が違うけどカタカナでは同じブライト(bright/blight)の違い - The Legion
💡関連記事:legionとregionの違い – カタカナでは同じ「リージョン」となる英単語
Darkest Dungeon – Plague Doctor
Darkest Dungeonは、2014年にKick Starterで資金を集め、2015年にリリースされてから数多の章を獲得した人気ゲームです。2018年には日本語に公式に対応したため、日本でも広く知られることになりました。

登場するPlague Doctorは、毒とナイフで戦うキャラクターで、鳥のような仮面をつけている風貌は特徴的です。この風貌は、歴史上のペスト医師(Plague Doctor)を表現したもので間違いないでしょう。
医療が未発展だった17世紀ごろには、ペストの感染は「瘴気」が原因とする考えも広まっていました。瘴気から感染することを防止するため、仮面の長い嘴(くちばし)の状の部分に大量の香辛料を詰めた医師(Plague Doctor)が実際にいました。

単語の覚え方、思い出し方の工夫
言語学習の中で単語を覚えるのは大変な作業です。単純作業的に単語を覚えると忘れやすいですが、使われるシーンや例文などと一緒に覚えることで、思い出しやすくなるでしょう。
今回紹介したような、歴史や背景に興味を持ってみると、その実際の物語や歴史的な背景から英単語の意味やニュアンスを思い出せることもあるので、単純な記憶作業に疲れた人は是非試してみてください。
日本でも流行した「ペストの歴史」については、以下の記事で詳しく紹介しています。是非あわせてご覧ください。