plagueって何て読む? – 発音を間違いやすい英単語

plague-発音を間違いやすい英単語 言語

英単語の中には、何度も目にするのに正しい読み方がよく分からない単語があったりします。中にはローマ字読みからは想像できない発音の英単語と出会って驚くこともあるでしょう。

plagueという単語は、「病気」に関連した単語で日常会話ではあまり使われませんが、海外のゲームなどでは比較的良く使われるため、日本人も比較的目にする機会が多いです。今回は、間違いやすい発音と共に、関連した歴史的な背景もあわせて紹介します。

英単語 – plague

plague - 発音

plagueの発音は、カタカナの「プレイグ」に近い音です。

ローマ字読みとは異なる発音で、英語に不慣れな日本人は間違いやすいので注意が必要です。

単語の意味

plagueという英単語には、以下のような意味があります。

  • 疫病
  • 伝染病
  • ペスト

plagueは感染症「ペスト」を意味する単語ですが、現代では一般的な疫病や伝染病などを表現する場合にも使われることもあります。

感染症「ペスト」を表す英語表現

plagueは、単語として「ペスト」の意味を持ちますが、他にも「ペスト」を意味する英語表現がいくつかあります。

「pest」という単語もありますが、この単語は「害虫」という意味合いで使われる単語で、ペストの意味では使われないので気を付けましょう。スラングとして使うと「迷惑な人」という意味になります。

bubonic plague : ブーボニック プレイグ

bubonic plagueは、日本語では「腺ペスト」と訳されますが、感染症「ペスト」を意味する表現です。

bubonicは医療用語で、リンパなどに炎症をもたらすといった「ペストの症状」を表現する際に使われる英単語です。bubonic plagueで、ペストの症状をもたらす菌・病気(つまりペスト)ということになります。

black death : ブラック デス

ペストを発症すると、リンパ腺が腫れ、皮膚が黒ずんで出血斑がでるなどの症状を引き起こします。また、ペストで亡くなった人は、青黒くなってしまうために「black death : 黒死病」とも呼ばれました。

歴史と現代の「ペスト」

現代では名前を聞くことも少なくなった「ペスト」ですが、人類史の中では最大級のパンデミックを引き起こした感染症の一つです。治療をしなかった場合の死亡確率は100%です。

主にノミから感染する病気で、人間の生活圏にいるネズミやリスなどのげっ歯類に寄生するノミから人間にも感染し、感染した人の飛沫や排せつ物などからも感染します。

ペストのワクチンはありませんが、現在は抗生物質を使って治療することが可能となっています。

一度感染が広がり始めると深刻な被害をもたらす危険な感染症として、日本では最も重い「一類感染症」に分類されています。

14世紀にヨーロッパで大流行

ペストは、14世紀のヨーロッパで流行したことが知られています。ヨーロッパの人口3分の1を死に至らしめたとも言われており、当時は治療も埋葬もままならず、道端に遺体が積み重なってた地獄のような様相だったとも伝えられています。

モンゴルがヨーロッパへ侵攻した際に、モンゴル軍内で発生したペストによって亡くなった人の遺体を、カタパルトによって敵軍の場内に投げ入れるという恐ろしい行為が行われ、ヨーロッパ軍側でもペストが広まったとされています。(1346年 クリミア半島カッファ)

交易やカッファからヨーロッパへ持ち込まれたペスト菌は、瞬く間にヨーロッパ全土に広がりました。不衛生だった中世の時代はネズミなども多く、下水処理も現代のような整備されたものがなかったことも感染を広げる要因になりました。

日本のペスト

日本では、1899年に侵入が確認され、その後27年の間(1926年まで)流行しています。27年間の流行の間に2,905名が感染し、2,420名の方が亡くなられています。

1927年以降は日本国内での感染は確認されていません。

日本でペストが流行した時代 – 日清・日露戦争

1899年は明治32年、1926年は大正15年/昭和元年です。ペストが流行した時代は、日本が戦争の時代に突入した時期と重なります。

西暦出来事
1894年日清戦争
1899年日本にペスト侵入
1904年日露戦争
1926年ペスト流行の終結

ゲームに登場するPlague

plagueという英単語は、ゲームでは頻繁に使われます。

日本人の感覚としては、大勢の人が亡くなられている病気の名前を使うことは、少し不謹慎な気もしてしまいますが、海外のゲームなどでは「強い病気」や「」のようなイメージで使われていることが多いです。

Dead by Daylight – プレイグ (The Plague)

人気ゲームの「Dead by Daylight」で、生存者や発電機を感染させる能力を使う殺人鬼「プレイグ」は、英語では「The Plague」という名前になっています。

Dead by Daylight - The Plague

日本人としては「プレイグ」という外来語は一般的ではないため、単純な名前の様にも感じられますが、「ペスト」の意味を知っている英語圏の人たちにとっては、忌まわしい実在の病気を冠した名前と感じる事でしょう。

DBD(Dead by Daylight)に関連した英単語に関する記事が他にもありますので、興味のある方は是非ご覧ください。

Darkest Dungeon – Plague Doctor

Darkest Dungeonは、2014年にKick Starterで資金を集め、2015年にリリースされてから数多の章を獲得した人気ゲームです。2018年には日本語に公式に対応したため、日本でも広く知られることになりました。

Darkest Dungeon - Plague Doctor

登場するPlague Doctorは、毒とナイフで戦うキャラクターで、鳥のような仮面をつけている風貌は特徴的です。この風貌は、歴史上のペスト医師(Plague Doctor)を表現したもので間違いないでしょう。

医療が未発展だった17世紀ごろには、ペストの感染は「瘴気」が原因とする考えも広まっていました。瘴気から感染することを防止するため、仮面の長い嘴(くちばし)の状の部分に大量の香辛料を詰めた医師(Plague Doctor)が実際にいました。

Plague Doctor - in history

発音を間違いやすい英単語

日本では、英語と触れ合う機会が少なく、見た事のない英単語と出会うと、ついローマ字読みしてしまいたくなるものです。近年ではSNSや動画配信などが普及したことで、誤った読み方をしてしまっている人を見かける機会も増えたように感じます。

ゲームなどに登場する単語の中から例を挙げると、以下のようなものがあります。(英語発音を近しいカタカナで表記)

  • evasion : イヴェイジョン 〇 エヴァジョン ×
  • wicked : ウィキッド 〇 ウィックド ×

誤りやすい単語は、逆に印象が深くなって忘れにくいと思うので、誤りに気付いたらラッキーくらいに思って記憶に刻み込みましょう。

単語の覚え方 – 歴史への興味も役に立つ

言語学習の中で単語を覚えるのは大変な作業ですが、文脈の理解をする上では単語力は非常に重要です。単純作業的に単語を覚えると忘れやすいですが、使われるシーンや例文などと一緒に覚えることで、思い出しやすくなるでしょう。

また、今回紹介したような、歴史や背景に興味を持ってみると、その実際の物語や歴史的な背景から英単語の意味やニュアンスを思い出せることもあるので、単純な記憶作業に疲れた人は是非試してみてください。

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