中国による日本の土地購入 – 満州の土地を購入をして開発を進めた日本

外国人による日本の土地購入 政治

令和の現代において、中国を中心とした外国人が日本の土地を購入していることが問題視されています。今回は、現在の外国人土地取得に関する問題と共に、かつて日本が行った満州地方の土地購入と侵略の歴史についても振り返ってみます。

中国による日本の土地購入

令和の日本では、外国人(特に中国人)による日本の土地購入が問題視されています。

購入された地域では、禁止されている森林伐採が行われたり、温泉の源泉を堰き止められるなど、地域住民とのトラブルも起きています。特に北海道の土地購入が多いようですが、中には瀬戸内海の島(山口県の笠佐島)の大部分を中国人に購入されてしまっている場所もあるようです。

また、長崎などでは自衛隊基地の周辺地域も外国人により購入されており、日本の安全保障を脅かし、国防上の重大な問題に発展する可能性があると指摘されています。

外国人による土地購入を禁止する法律がない理由

外国人による土地の購入を禁止する法律がない事を問題視し、法整備を進めようと動いている政治家もいますが、様々な問題があって法整備は遅々として進みません。

原因の一つは、日本が加盟しているWTOのGATS(General Agreement on Trade in Services : ガッツ)など取引に関する取り決めにおいて土地を対象外としていないため、外国人が日本の土地を購入することを日本は規制できない状態になっています。(中国は土地取得を除外して加盟しているため、日本は中国の土地を購入できない)

また、「日本人の財産」に対する権利を侵害する点も懸念されています。日本人は、自分の財産を自由に扱う権利が認められており、高い金額で購入する(外国)人に販売することも所有者に認められた権利です。外国人の購入に制限をかけるということは、同時に日本人の販売する権利も制限をかけることになります。

法整備を進めても残る「抜け道」

例え外国人による土地取得に制限をかけることができたとしても、完全に防ぎきることは難しいという見方もあります。

帰化した外国人が一人でもいれば、その人を経由して購入されてしまう可能性や、外国に協力的な日本人を経由して間接的に購入する可能性もあり、法整備が進んだとしても、簡単に抜けられてしまう危険性があるという指摘もされています。(いわゆるザル法になる)

静かに侵略される日本

外国人による土地の購入が進む日本の今の状況は、「静かなる侵略」を受けているとして危険視されています。

静かなる侵略は、英語ではサイレント インベイジョン(Silent Invasion)と呼ばれ、特に中華人民共和国が世界各国に対して行っている戦略を指して使われます。

外国人参政権問題

土地を購入した外国人が大勢日本にやってきて、彼らが参政権を持ってしまうと、日本の政治が根本から変えられてしまう可能性もあります。日本人は1億人しかおらず、大勢の外国人が押し寄せれば成す術もありません。多数決で負ければ合法的に国を変えることができるのです。

今のところ日本では「外国人参政権」は認められていませんが、「帰化して日本人になった外国人」には参政権が与えられます。

日本への帰化人数推移

日本の法務省が発表している国籍別帰化許可者数は、以下のようになっています。

令和4年令和5年令和6年
韓国・朝鮮2,663韓国・朝鮮2,807中国3,122
中国2,262中国2,651韓国・朝鮮2,283
ベトナム360ベトナム625ネパール585
その他1,774その他2,717その他2,873
総数7,059総数8,800総数8,863
国籍別帰化許可者数 – 法務省民事局

引用 : 国籍別帰化許可者数 – 法務省民事局

帰化申請は、申請が承認されるまでにおよそ1年程度の期間がかかる状況のようです。

満州の土地を購入をして開発を進めた日本

平成から令和にかけて、日本の土地が中国など外国に購入されていることが危険視されていますが、この戦略は「かつて日本が行った戦略」に他なりません。

満州の土地を買って移民を進めた日本

日本は日露戦争後に満州地方の鉄道などの権益を獲得し、以降満州の開発を進めていくことになります。

満州奉天(瀋陽)

防衛のための移民計画

開発計画を進めた中心人物の一人「後藤新平」は、「満鉄総裁就職情由書」の中で、以下の様に述べています。

「今、鉄道ノ経営ニヨリテ十年ヲ出テサルニ、五十万ノ国民ヲ満州二移入スルコトヲ得ハ、露国倔強ト雖モ、漫二我ト戦端ヲ啓クコト得ス、和戦緩急ノ制命ハ居然トシテ我手中二落チン」

これは、第二次日露戦争を警戒して、満州地方へ50万人の移民が必要とする提案です。(当時の満州地方は22万人程度の人口)

日本の土地購入へ反対する動き

日本は満州地方の鉄道周辺の土地を購入して移民を推進しましたが、満鉄(南満州鉄道株式会社)社員とその家族以外の移民はなかなか進みませんでした。遅々として進まない移民について、後藤は以下のようにも述べています。

長春停車場の土地を買収するにも非常な困難が起り、支那官憲が干渉して売買譲与を許さぬと申す次第でありました。

当時、現在の日本と同じように、日本の満州地方の土地購入に対して反対する動きもあったことが伺えます。

参考論文 : 日露戦後の満州移民村 – 安藤哲

満州事変後の土地買収

1932(昭和7)年の満州事変(満州国建国)後には、組織的な満州への移民が順次始まっていきます。

満州事変は、関東州の防備と満州鉄道を保護していた、日本帝国陸軍の部隊である関東軍が独断で起こした謀略とされていますが、満州事変前の同地方の治安は悪く、現地日本人の生活が脅かされていたことも、関東軍に行動を決断させたともいわれています。
(日本政府は政権の主導権争いで忙しく、満州の治安悪化に十分な対処を行わないとして軍部は非難していたとも)

治安の悪い状態が続く、満州事変後の初期の移民は、機関銃や迫撃砲で武装した軍人だったようです。

土地買収工作を行った63連隊

満州事変後は、満州地方を「農地」として開拓する方針が進められています。1934年には土地取得を促進するため、買収工作を関東軍が主導することとなります。

第10師団司令部内に参謀長を委員長とする農地買収委員会が組織され、飯塚朝吾松江歩兵63連隊長(大佐)を実行委員長とする班は120万町歩の土地買収を担当しました 。

買収方法は、「県ノ要人」らに師団長や県長が趣旨を十分説得するというものでしたが、手順簡略化のため各地主から委任状と白紙委任状をとるなど、関東軍という武力を後ろ盾とする強制的な買収だったのは明らかで、同時に農民の武装解除も断行されました。

引用・参考 : 土地買収工作を行った郷土部隊(松江歩兵63連隊)

土竜山事件(どりゅうざんじけん)

満州地方では、満州事変以前から日本による土地取得と開発が行われていました。土地購入は、開発の中心であった満鉄(南満州鉄道)だけでなく、日本人によっても行われていました。

満州事変後の土地取得は、武力を伴った強制的な方法も取られています。

中には強制買収を拒否して地券を隠して対抗する現地民もいたようですが、関東軍が武器で脅し、壁や壺などをたたき割って地券を奪うということも行われたようです。

そういった日本による土地の強制取得に対して反感を持った現地の農民たちが武力蜂起したのが「土竜山事件」です。

土竜山事件で放棄した農民は6700名以上で、駆け付けた63連隊にも19名の戦死者がでています。反乱は徐々に鎮圧され、最終的に農民たちは密林地帯に逃げ込み離散し、終結しています。農民たちを主導していた人物は、関東軍に説得され満州国に謝罪した後、満州地方の治安回復などに尽力しています。

土竜山事件後は、日本が直接土地を購入する方針を改め、満州国が土地を購入し、関東軍が武装討伐するという体制になっていきます。

やられた人がやる人へ

中国には、日本にやられた満州地方の侵略や、イギリスによって行われた薬物の流布などを、現代になってからやり返しているような戦略が散見されます。また、迫害を受けていたユダヤ人が、現代では逆に迫害を行うようになっているともいえます。

いじめに関する実験では、いじめを受けた人がいじめをするようになるという結果がでていましたが、国家でも同じような状況が起きているといえるのかもしれません。

現代日本で問題となっているようなことが当時の満州地方であったことは理解した上で、それでも日本の国土は守らねばなりません。自分たちでやった事をやり返されて苦しんでいるとは、何とも情けない限りだと感じます。