皮肉を意味する英単語 irony – アイロニーの意味や使われ方

irony 言語

日本でもカタカナで「アイロニー」という言葉を見かけることがありますが、日本ではあまり馴染みのない言葉で、よく意味が分からないという人も多いのではないでしょうか。今回は、英単語irony : アイロニーの意味や発音と共に、実際の使われ方などについて紹介しています。

皮肉を意味する英単語 irony – アイロニー

ironyという英単語の、発音や意味を確認してみましょう。

ironyの発音

ironyという単語は、Google 翻訳の発音記号表記では以下になっています。

irony - 発音

カタカナで表現すると「アイロニー」となるでしょう。

ironyの意味

ironyの辞書的な意味としては以下のようなものがあります。

  • (名詞) 皮肉
  • (名詞) 風刺
  • (形容詞) 鉄のような

予想とは反対の結果になった事象を表現する場合に使われる言葉で、ユーモアを持って使われる場合と、意地悪な意味で使われる場合(当てこすり)があります。(例 : irony of fate – 運命の皮肉)

「irony」は、言葉や状況の対比によって、意図や期待とは異なる結果や状況を表す際に使われる言葉です。

また、「irony gray color : 鉄のような灰色」のように形容詞として使われることもあります。

ironyの「鉄のような」という意味 – 語源と変化

ironyの語源は、ギリシャ語で虚偽や仮面を意味する「エイロネイア(eirōneia)」という単語です。ラテン語の「ironia」を経て、英語のironyになっています。

一方、「iron : 鉄」の方は古英語の「isern」という単語を語源に持っていて、両者は本来異なる単語です。iron自体も「iron sword : 鉄の剣」のように形容詞として使うこともできますが、「鉄のような、鉄っぽい」といった表現をする際に綴りが変化して、結果として「irony : 皮肉」と同じになっています。

ironyを使った例文

ironyを名詞として使った例文としては、以下のようなものが考えられます。

例文 : His words were full of irony.
和訳 : 彼の言葉は皮肉に満ちていた。

また、ironyが使われるよくある形としては、以下のような文章があります。

例文 : the irony is that I thought he could help me.
和訳 : 皮肉なことに、私は彼が私を助けてくれると思っていました。

the irony is (was) that…という表現は、後ろに続く文章の結果になると思っていたけど、現実は違ったという自虐的な話をする際などによく使われます。

ironyの変化形

ironyの変化形には以下のような英単語があります。

ironic, ironical – アイロニックとアイロニカルの違い

ironicironicalは、どちらも「皮肉な」「嫌味な」「風刺的な」といった意味を持つ形容詞です。

ironic smile : 皮肉な笑み
ironical smile : 皮肉な笑み

どちらも同じ意味の単語ではありますが、ironicalの方が少し古風な言い回しになります。現代の会話などでは、ironicの方が使われることが多いでしょう。

ironically

irony副詞になるとironicallyとなり、「皮肉なことに、風刺的に」といった意味になります。

小説などの文章で見かけることが多い表現で、文頭に置くことで、後に続く文章が想定と違う結果になっていることを強調表現します。

butと似ていますが、ironicallyを用いることで、「期待した結果にならず残念だ」という思いが強く表現されます。以下に両者の例文を並べて紹介します。

例文 : Ironically, the fire station burned down.
和訳 : 皮肉なことに、消防署が焼けてしまった。

(butで置き換えた場合)
例文 : but, the fire station burned down.
和訳 : しかし、消防署は全焼してしまいました。

ironyの会話での使われ方

ここまでironyという英単語について、発音や意味・例文などを紹介してきました。

実際に使われているシーンを見聞きすると、単語を思い出しやすくなると思いますので、「irony」が使われている会話が含まれた動画をひとつ紹介します。

ironyが使われる会話

以下の切り抜き動画は、Ninomae Ina’nisさん(海外のVTuber)が配信で語られた一部です。

日本語が上手になったと褒めてくれているのにもかかわらず、(皮肉にも)その褒め言葉が理解できなかったというエピソードとなっています。

引用元YouTube Channel : たー【ホロライブわいわい切り抜きch】
出演者YouTube Cannel : Ninomae Ina’nis Ch. hololive-EN

ironyが使われている箇所は、動画の0:33あたりです。Ninomae Ina’nisさんは日本語がとても上手な方ですが、褒めてもらった言葉が方言か何かだったために、褒めてもらったのに(皮肉なことに)理解することができなかったようです。

会話内容の抜粋

上記動画内で、ironyという英単語が使われている会話部分を以下に抜粋して紹介します。

英文 : The irony was that I did not understand what they said.
和訳 : 皮肉なことに…その言葉が理解できなかったんだよね

上記文章には関係代名詞が2つ(that, what)登場しているため、ちょっと分かりづらいかもしれませんが、文章構造としては以下のような形になっています。

原文 : The irony was that I did not understand what they said.
分解 :
それは皮肉な事だった
 ← それが理解できなかった
  ← 彼らが言っている事
直訳 : 「彼らが言っている事」が「理解できなかった」ことは、皮肉だった。

今回紹介した状況のような、ちょっとした自虐ネタなどを披露する際に使い勝手のいい表現でしょう。

増え続ける外来語の危険性

日本語には外国の言葉をカタカナで取り込む「外来語」という仕組みがあるため、現在進行形で英語などを基に新しい言葉がどんどん取り込まれて行っています。

外来語の中には、本来の外国語の意味とは異なる使われ方をするようになっているものがあったり、外来語に見えて実は日本で作られた和製英語という場合もあります。本来の意味だと勘違いして誤って単語を使ってしまうと、恥ずかしい思いをすることもあるでしょう。

発音の異なる日本語に取り込みした際に、複数の単語が区別がつかなくなってしまうこともあるので、よく分からない言葉を使う際には注意しましょう。