英単語「widow:ウィドウ」は「未亡人」を意味します。
本記事では、基本的な使い方から発音・例文、windowとの違いまでを解説します。さらにblack widow spider(クロゴケグモ)やWidowmakerなど、怖いイメージの由来も紹介します。
英単語「widow」の意味や発音
英単語 widow は、最も基本的な意味として「未亡人」を表します。
つまり、夫を亡くした女性のことを指します。
発音とスペル
- 発音記号は /ˈwɪdoʊ/
- カタカナにすると「ウィドウ」に近い響きです。
- 語尾の -ow は「オウ」と伸ばす音で、「ウィドー」と聞こえることもあります。
似ている単語「window : ウィンドウ」との区別
英語学習者が「widow」を覚えるときによく間違えるのが window(窓) です。
綴りと読み方を比べて確認しておきましょう。
- widow → wi・d・o・w → ウィドウ(未亡人)
- window → wi・n・d・o・w → ウィンドウ(窓)
基本の意味と使い方 – 例文
widow は日常英会話や文章でも比較的よく使われます。例文を見てみましょう。
- She is a widow.
(彼女は未亡人です。) - The war left many women widows.
(戦争で多くの女性が未亡人になった。)
このように、夫を亡くした女性を指すのが基本用法です。
widowの関連語と名詞以外の活用について
widowは未亡人の「女性」を意味しますが、男性の場合は widower(ウィドウアー)と言います。こちらは「妻を亡くした男性」という意味で、末尾の -er が男性形を示します。
(例:He became a widower at a young age.)
また、widowが他の品詞として使われる例についても確認しましょう。
動詞・形容詞としてのwidow
widowは名詞として「未亡人」を意味する単語ですが、他の品詞として使われることもあります。
- 動詞(他動詞)
- to widow =「(女性を)未亡人にする」=「夫を死なせて妻を残す」
- 現代英語ではほとんど使われず、歴史的・文学的な響きを持つ表現です。
- 動詞(過去分詞形)
- be widowed = 「未亡人にされた」「未亡人となった」
- ニュース記事や小説などで普通に使われる表現です。
- 例:She was widowed when she was only twenty-five.
(彼女は25歳のときに未亡人となった。)
- 例:She was widowed when she was only twenty-five.
- 形容詞的用法
- widowed =「未亡人になった」という状態
- widowed は形容詞として、男女どちらにも使えます。
- a widowed woman(夫を亡くした女性)
- a widowed father(妻を亡くした父親)
覚えておきたいニュアンス
英語では「widow」という単語そのものに少し重い響きがあります。
日本語の「未亡人」もそうですが、日常会話で気軽に口にする言葉ではなく、ある種フォーマルで慎重に使われる語だと理解しておくとよいでしょう。
widowは怖いイメージ? – widow spider
「widow : ウィドウ」 は「未亡人」という意味の英単語ですが、実は「怖いイメージ」と結びつきやすい単語でもあります。
それは、widowという単語が“有名な毒グモ”と深い関係があるからです。
そのクモの名は black widow spider(クロゴケグモ)。
black widow spider(クロゴケグモ) は、北米やオーストラリアなどに広く分布する毒グモです。メスは光沢のある黒い体と腹部の赤い砂時計模様が特徴で、その姿は見た目からして印象的です。

この「未亡人と蜘蛛」の関係を知れば、あなたも二度と「widow」を忘れなくなるはずです。
widow spiderの名前の由来
では、なぜ毒グモが「未亡人」という名を持つのでしょうか?
このクモが「widow(未亡人)」と呼ばれる理由は、メスの恐ろしい習性にあります。
交尾の後、メスはしばしばオスを食べてしまうのです。
こうしてオスは姿を消し、メスだけが残る――その様子が「夫を失った女性=未亡人」に重ねられ、この俗称が生まれました。
この名前は20世紀初頭にはすでに英語圏で定着しており、やがて辞書にも載る正式な呼称となりました。
widow spiderの訳「ゴケグモ」の意味
widow spiderは、日本では「ゴケグモ」と呼ばれます。
日本にも外来種として クロゴケグモ や セアカゴケグモ が生息しており、港湾地域や温暖な地域で時折ニュースになります。
ゴケグモは漢字で「後家蜘蛛」と書き、後家(ゴケ)というのは「未亡人」のことです。
「後家」を使った有名な表現に「いかず後家」がありますが、これは婚期を過ぎても結婚せずに独身でいる女性、または婚約者と死別・生別して結婚せずにいる女性を指す言葉です。
black widow – 意味が転じて「魔性の女」
black widow spiderは、学術的な正式名称ではありますが、一般的な日常会話ではspiderが省略され「black widow」として使われます。
black widowという表現からは「蜘蛛の要素」がなくなっていますが、それでも「毒蜘蛛」のニュアンスで使われます。日本語ではゴケグモのように「色が省略」されて生物を意味する部分が残ることが多く、これは興味深い言語の違いでもあります。
black widow はもっぱら「クロゴケグモ(毒グモ)」を指す言葉として定着していますが、そこから転じて「夫を死に追いやる女性=魔性の女」という比喩的な意味もあります。
また、キャラクターの名前としても、black widow(ブラックウィドウ)が使われることもあります。マーベル作品に登場する、暗殺者としての過去を持つ「ブラックウィドウ」が有名です。

出典:ブラック・ウィドウ|映画/ブルーレイ・DVD・デジタル配信|マーベル公式
widowmaker – 未亡人を作る者=殺し屋
widowmakerという表現は、キャラクターや武器の名前などでもよく使われます。
- widow(未亡人)+ maker(作る者)
→ 「未亡人を作る者」=「夫を死なせる存在」=「殺し屋、死をもたらす存在」
英語圏の人にとってもこのニュアンスはストレートに伝わります。つまり「未亡人メーカー」という語感よりも、「人を殺してその妻を未亡人にする者」という強烈でダークなイメージです。
またキャラクター名として使用された場合、「人を簡単に殺す」「命を奪う」イメージが強調され、「美しくも致死的な暗殺者」といった印象を与えます。
Blizzardが提供するオーバーウォッチという人気ゲームには、美しい外見を持ちながら、ためらいなく命を奪う冷酷なスナイパーとして「Widowmaker : ウィドウメーカー」が登場します。

出典:オーバーウォッチ 2 – ヒーロー – ウィドウメイカー
気付いた方もいるかもしれませんが、Black Widow も Widowmaker も、キャラクターとして描かれるときには「赤と黒」の配色が強調されることが多くあります。
この色の組み合わせは、black widow spider(クロゴケグモ)という毒グモの姿を想起させます。
つまり widow という英単語は、単に「未亡人」という意味にとどまりません。
毒グモの危険性や「死をもたらす女性」という比喩を通じて、「恐怖」「毒」「死」のニュアンスを帯びることがあり、そこから「怖いイメージ」と結びつく場合があるのです。
怖い話も単語暗記に役立つ
英単語「widow」は“未亡人”という意味を持ちますが、black widow spider(クロゴケグモ)という毒グモを思い浮かべることで、一度で忘れない単語に変わります。
- widow=未亡人
- black widow=クロゴケグモ(交尾後にオスを食べる習性)
- 感情やイメージと結びつけると記憶は定着しやすい
怖い話も、英単語暗記には強い味方です。
次に新しい単語を覚えるときは、動物や植物などインパクトのあるイメージとセットにしてみましょう。きっと、あなたの単語帳がもっと生き生きして見えるはずです。
関連記事:ゲーム登場する蜘蛛から覚える英単語 – Broodmother (Ark)
Ark Survival Evolved または Ark Survival Ascendantというゲームには、蜘蛛の敵キャラクター(ボス)としてBroodmotherが登場します。Broodの発音は「ブルード」ですが、Blood(血)と綴りが似ているため、言語学習者を混乱させる単語でもあります。
以下の記事では、英単語Broodの意味や発音などを解説するとともに、Broodmotherなど「覚えるのに役立つ」事例を紹介していますので、是非あわせてご覧ください。