独り暮らしをする場合、自炊をするか外食などで済ますかというのは、重要な課題の一つです。節約や手間などを考慮しながら、可能であれば自炊をしてコストを削減したいと考えている人も多いでしょう。
今回は、日本の主食でもある「お米」についてまとめています。独り暮らしでの自炊や、家計での食費の計算には、炊飯と販売で異なる「単位」に困ることがよくあります。また、一食で食べる量の目安や便利な炊飯の小技なども紹介していますので、日々の生活に是非役立ててください。
米の一合は何キロ?
自炊をするために米をスーパーなどで購入しようとすると、最初に困ることが「単位の違い」でしょう。
スーパーなどで袋詰めされて販売されている米は、通常「Kg(キログラム)」単位で売られています。米を炊くのは合単位なのに、販売がKg単位だと一体どのくらいの米を購入したらどのくらいの期間食べていけるのかがさっぱり分からず困ることになります。
お米の一合は150gです。

1食で食べる米の量
1合(150g)のお米を炊くと、概ね350gほどに膨らみます。
人によって異なりますが、一般的な大人が一食で食べる米の量は以下くらいになります。
性別 | 一食で食べる米の量 |
---|---|
男性 | 200 – 300g |
女性 | 150 – 200g |
つまり、1合を炊いて食べる場合、男性の場合は「1食だと多め」で、女性の場合は「2食分程度」の量になる事になります。
一般的なお茶碗には概ね150g程の炊きあがりのお米が入ります。上表にある男性の200gは少し多めに盛ったご飯、女性の150gは普通盛りといった感じになります。
お米買う場合の「食事回数」の目安
お米の販売はKg単位なので、一食の量をg(グラム)単位で分かっていると買い物のときに便利です。
男性の一人暮らしを想定した場合、1食のお米を簡単に計算する「目安」となるのが、「1食 = 100g」です。100gのお米は、炊きあがりで200g程度となり、これは一般的な成人男性の一食の量になります。
販売単位 | 食事回数の目安 |
---|---|
1Kg | 10回 |
2Kg | 20回 |
5Kg | 50回 |
1Kgは1000gなので、お店で販売されているお米を見ながらでも、上表のように簡単に食事回数を計算できるでしょう。
不便な1合炊き
1合のお米(150g)を炊くと、炊きあがりは350gほどに膨れ、成人男性でも一食で食べるには少し多い量になります。
小食な人や女性の場合は、2食で食べて丁度良い場合もあるかもしれませんが、1合で炊くと1食には多く、2合で炊くと2食で食べきれないという、この「帯に短しタスキに長し」の単位系は不便なものです。
1.5合炊きを活用しよう
米というのは、炊飯器で炊く場合に1合とか2合とか目盛りに合わせて炊くのが普通のやり方ではありますが、目盛りを無視した「1.5合炊き」を活用すると「丁度良い量」を炊飯出来て便利です。
下表にある通り、1.5合炊きを2食で食べると「1食 = 0.75合」となるので、1合炊きを食べきれない人などには都合がよいでしょう。
お米の状態 | お米の量 |
---|---|
炊くお米 | 1.5合 (225g) |
炊きあがりの量 | 525g |
1食で食べる量 | 262g |
1食で消費する米 | 0.75合 (112.5g) |
丼一杯のお米はだいたい240gで、炊きあがり前のお米では115gです。
1.5合炊きをすると、丼2杯分程度の量のお米を炊き上げることになります。
1.5合炊きで購入したお米を綺麗に使い切り
お米を買う際の「食事回数」の目安は「1食 = 100g」が便利だと紹介しましたが、1.5合(225g)炊きは1食112.5gとなるので、買い物の際に想定していた目安に近い消費量になります。
2合(300g)炊きをして3食で食べると、キリの良い数字で計算は容易になりますが、1回の炊飯で3食(100g x 3回)となると、余分なご飯を冷凍しておく手間がかかるなど、面倒なこともあったりします。
また、販売単位が2Kgや5Kgなので、300gずつ炊飯すると最後に端数がでてしまいますが、1.5合(約200g)ずつ炊飯すれば、綺麗に使い切る事ができるメリットもあります。
1.5合炊きの「やり方」

炊飯器に目盛りはありませんが、1.5合炊きに特殊な方法は必要ありません。
炊飯器の窯に、カップで測って1合の米を入れた後、カップ半分の米さらに測って加えるだけで、後はいつも通り洗って水を張って「炊飯」するだけです。入れておく水の量も、1合と2合のちょうど中間のあたりまでに調整します。
炊飯器というのは意外とデジタルではなくアナログな動きをしてくれるようで、米とお水さえあればそれなりに炊けてくれます。初めての時はちょっとドキドキしますが、やってみると意外に簡単で、結構大雑把でも失敗しにくいものです。
料理が出来ない人にもオススメの1.5合炊き
現代では、カレーや牛丼など、多彩なレトルト食品が販売されています。料理が出来ない人でも、簡単においしいご飯を食べることが出来るので、独り暮らしの強力な味方ともいえるでしょう。おかずを作るのが面倒な日などにも重宝します。
1.5合のお米を炊くと、丼2杯程度のしっかりした量のご飯が炊きあがり、これはレトルト食品を2度食べても十分な量になります。
2食のうち片方をレトルトにして、もう一食は普通におかずを準備する場合にも便利です。ご飯を炊いている間におかずを準備して食べ、もう一食はレトルトで簡単に済ませてしまうという日があっても良いのではないでしょうか。
パックご飯との比較
最後に少しだけ、最近流行っているパックご飯との比較もしておきましょう。

パックご飯は1食だけのご飯を購入することが出来て、小回りが利いて非常に便利な事もあり、近年販売数をとても伸ばしているようです。炊飯器を購入して自炊する人もいれば、炊飯器を購入せずにパックご飯で済ませている人もいるというのが現状のようです。
パックご飯と炊いたご飯 – 値段の比較
パックご飯と自炊で米を炊いた場合の金額を比較しておきましょう。お米の値段は2024年の「令和のコメ騒動」以降高騰しているため、下表では2024年以前と以降に分けて記載しています。
種別 | 一食の値段 |
---|---|
炊いたお米 (2024年まで) | 50円 |
炊いたお米 (2024年以降) | 100円 |
パックご飯 | 140円 – 160円 |
パックご飯にも色々と種類はありますが、基本的には割高の商品ということになります。炊いたお米なので「手間」がかかっていますし、パックや包装自体の値段も含まれることになるので、当然とも言えます。
パックご飯の位置づけ
値段だけの事を考えると、パックご飯は「普段米を食べない人」が「ちょっと米を食べたい」という時に購入するものという位置付けのようにも見えます。
ただ、中には炊飯器が壊れたので買い替えの間はパックご飯という人もいるかもしれませんし、手間をどうしてもかけられないという事情がある人もいるでしょう。特に日本では値段よりも時間が惜しいという人も多く見かけます。そういった人たちにとっては、割高だけど手間いらずのパックご飯は良いのかもしれません。
自炊して食費を抑えたいという人は、節約をする期間にもよりますが、安くてもいいので炊飯器を購入して米を炊いた方が、長い目で見た際に大きく出費を抑えられるでしょう。
日本人と「お米」
日本人は、古くから「お米」を食べてきた民族であることが知られています。
「ご飯に行く」という言葉から分かる通り、元々は「食事 = お米」という程に、日本人の食生活はお米を中心としたものでした。
日本の主食「米」の今後
令和時代は、「令和のコメ騒動」など米に関するニュースが飛び交いました。
日本の米の生産量は、戦後からすると半分くらいまで減少してきていますが、国民のコメの消費量も同じように減少し続けていたため、令和になるまでは大きな問題になってきていませんでした。
しかし、世界情勢が不安定になったことも影響して物価が高騰したことを受けて、米以外の輸入製品(特に小麦やトウモロコシといった主食)の価格が高くなったのに対して、国産の米の価格変動が少なかったため、多くの国民が米を求めるようになったようです。結果として米不足から米価格の高騰へと事態は動いていっていますが、今後の米の需給や価格変動については日本人の生活が懸かっていることもあり、気になるところです。
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