英単語を学習していると、一つの日本語に対して同じ意味の複数の単語と出会ったり、自分の知っている単語と違う単語が同じ意味で使われているといったシーンに出会うことがあります。
英語のexplainとdescribeはどちらも「説明する」という意味を持った単語で、どちらも日常会話で頻繁に使われる単語です。辞書で調べても違いが分かりにくい2つの単語の違いについて、意味やニュアンスなどを比較しながら紹介します。
explainとdescribeの違い
explainとdescribeは、どちらも辞書で調べると「説明する」という意味を持った単語として記されていますが、単語のイメージや会話での使われ方には違いがある単語です。
explainとdescribeの大きな違いは、説明で「伝える内容」が異なる点です。
英単語 | 伝える内容 |
---|---|
explain | 理由・仕組みなど |
describe | 見た目・状況など |
スポーツ番組などでは、よく2人体制で「実況と解説」が行われます。
実況が伝えている内容がdescribeで、解説が伝えている内容がexplainというイメージです。
explainの意味
explainという英単語は、日本では中学校で学習する単語で、試験などのために覚えた記憶がある人もいるのではないでしょうか。
explainは、辞書的には以下のような意味を持った単語です。
- 説明する
- 解説する
- 明らかにする
explainを使った例文紹介
使われ方の例を以下に一つ紹介します。
I explained the rules of the game to them.
私は彼らにゲームのルールを説明した。
She explained how the device works step by step.
彼女はその装置がどのように動作するかを段階的に説明しました。
Please explain why the process failed.
プロセスが失敗した理由を説明してください。
explainは、上の例文のように「理由や仕組み」を伝える際に使われることが多い単語です。
ビジネスシーンでよく使われるexplain
explainという単語は、ビジネスシーンでの会話や、オフィシャルな文書などに頻繁に使われており、英語と触れ合う仕事をしていると、目にする機会が比較的多い英単語です。
日本語で、手順を「説明する」、仕様を「解説する」といった行為は、日本でも会議などで耳にすることが多く、それらはexplainで表現できます。
describeの意味
describeはexplainと同じ「説明する」という意味を持った単語ですが、見た事や聞いたことを説明する際などに使われる単語です。

describeの辞書的な意味には以下のようなものがあります。
- 説明する
- 述べる
- 描く
describeを使った例文紹介
例文を一つ以下に紹介します。
She described what the man looked like to the police.
彼女は、その男がどんな外見だったかを警察に説明(描写)した。
He described the sunset as vibrant and breathtaking.
彼は夕日が鮮やかで息をのむほど美しいと評した。
The witness described the car’s color and make.
目撃者は車の色とメーカーを説明した。
describeは、見た事・聞いた事などを相手に伝える際に使われる単語です。
インターネット上の情報共有などで使われるdescribe
インターネット時代の現代では、特に口語表現の中でdescribeは頻繁に耳にします。インターネットを通じて複数人でプレイするゲームなどでは、お互いの情報共有や状況の報告が行われます。
日本語だと「状況を説明する」と表現される、これらの行動は、英語ではdescribeで言い表すのが適切で、会話などでよく使われます。
ただし、上司やリーダーに状況を報告するという場面では、describe(説明する)よりもreport(報告する)の方が適切な場合もあるでしょう。
今起こっている事、起こった事を「ありのまま」伝えるのがdescribeで、その内容をまとめて形式的に伝えるのがreportと考えておけば、使い分けに困らなくなるでしょう。
describeとexplainの覚え方
本来describeで表現するべき状況でexplainを使ってしまうと、正しい(想定した)情報の交換が行えないことになります。
「相手の見聞きした情報の出力」を求める場合はdescribeが適切ですが、そういった状況でexplainを使ってしまうと、どういう会話になるのか、誤用の例を見てみましょう。
誤用の例で「使い分け」を学ぼう
わかりやすいように、「事故について説明してください」という日本語の質問で、describeとexplainを変えて、その回答を見てみましょう。
以下の例文では、「説明」をそれぞれdescribe/explainに置き換えています。
質問 : 事故について「describe」してください
回答A : 機械から出火して炎が燃え広がっている (状況説明)
質問 : 事故について「explain」してください
回答B : 老朽化した機械の部品が高熱となり発火した (原因解説)
日本語では同じ文章ですが、英語では使用する単語によって回答が異なっています。
この現象には、日本語の「曖昧さ」が影響しています。
曖昧な日本語と明確な英語
日本語では「説明して」という言葉で、状況説明も原因解説のどちらの意味にもなるため便利です。しかし逆に英語からみると、「日本語は曖昧な言語」ということになります。
実際、上記日本語の例文の状況だと、緊急を要する様な状況下では多くの人が「状況説明」をすることになるとは思いますが、人によっては「原因解説」をすることもあるでしょう。質問者や回答者の立場(消防など)も影響することが予想されます。
曖昧な日本語では、質問者がどちらの説明を欲しているのか、「意図を汲み取る」必要があり、英語では必要な情報を「明確に伝える」ため、意志疎通に間違いが起こりにくいといえます。
日本語訳に捉われないことが大事
日本語では同じ言葉で表現する言葉であっても、英語などの別の言語になると細かく分けて表現されることあります。
explain, describeについては、日本語では同じ「説明する」といった訳になりますが、根本のイメージは異なります。日本語の「説明する」は英語からすると曖昧ではありますが、「相手に理解してもらう」という行動を表した言葉であり、describeもexplainも包括した言葉とも言えます。
「説明する」という言葉に捉われず、それぞれの言葉の使われ方を理解していけば、誤った使い方をすることを防ぐことに役立ちます。
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